大学卒業後、アルバイトをして生きてきた氷河期世代…将来手にする年金を計算すると
——生きているよりも、死んだほうがマシ
SNSに書き込まれた、ある氷河期世代だという50代男性の悲痛。大卒時、正社員としての就職が叶わず、アルバイトなどしながら正社員への道を探るも、一向に雇用環境は改善されず、正社員になるタイミングを逃した人。希望の職種での就職は叶わずも正社員として社会に出た人の中には、無理がたたりフェイドアウト。いまはアルバイトなどをしながら生きながらえている人も多くいます。
——社会人になってから、一度も良いことはなかった
そんな氷河期世代の人たち。第1世代は50代に突入し、あと10年強で年金世代に突入します。仮に大学卒業後、ずっとアルバイトで、65歳まで働いたとしたら、どれほどの年金を手にすることになるのでしょう。厚生労働省によると、大卒のアルバイトの平均月収は20.9万円。手取りにすると16万円ほど。会社員同様、厚生年金に加入していたと仮定すると、65歳で手にする厚生年金は月5.9万円ほど。国民年金を満額手にできるとして、月12万円*ほどを手にすることになります。
*20代前半も20代後半同様の収入として、便宜上、加入期間2003年4月以降の計算式である「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で算出。加給年金は含まず
【年齢別「大卒・アルバイト」の月収】
25~29歳:161,138円
30~34歳:224,287円
35~39歳:354,429円
40~44歳:278,009円
45~49歳:257,868円
50~54歳:299,308円
55~59歳:247,083円
60~64歳:235,652円
出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出
一方、大卒、正社員で同条件の場合、65歳から手にする年金額は月19万円ほど。アルバイトとは月7万円、1年で84万円、30年で2,520万円もの年金差になります。
現役時代の給与差は、そのまま死ぬまでの年金差になる残酷な現実。そんな将来がみえたとき、「生きているよりも、死んだほうがマシ」と思っても仕方がないのかもしれません。