育休中の女性の中には、職場復帰のことを考えて「何から準備したらいいか分からない」と不安になっている方も多いのではないでしょうか? そこでキャリアコーチであり1児の母親でもある田代悠佳さんに職場復帰に向けてやるべき準備について解説していただきました。
出産後、スムーズに「職場復帰」するには?【キャリアコーチが解説】

①「自分のペースでできる準備」とは

ここに分類されるのは、隙間時間などを使って自分のペースで行うことができる作業などです。書類作成や手続き関係、ファミリーサポート登録、入園に向けて必要なグッズの準備、家事の効率化をアップするためのアイテム入手などが含まれます。もちろん自分一人で抱えずに、パートナーと作業をシェアしてもいいかもしれませんね。

 

他にも私のクライアント様のなかには、家事の見直しや断捨離をやっておいて良かったという声があげられました。「バタバタと帰宅した後に家が雑然としているとやる気が下がる」という意見もあったので、不要なものは今のうちに処分していく方がいいかもしれません。また、仕事と家事・育児の両立にはかなりの体力を必要とするので、体力づくりをしておいた方がいい、という意見も多かったです。

 

②「人との関わりが必要な準備」とは

こちらに分類されるのは、家族や友達、保育園の関係者や職場の仲間など、自分以外の人にも関わってくる準備です。具体的には、家事や送り迎えの分担、子どもが病気の時の対応方法などの決め事をパートナーとしておくこと。そして祖父母などへのサポート依頼、職場へのリサーチや挨拶、悩みを相談できる場所や専門家の確保、保育園の先生や保護者とのコミュニケーションなどがあります。

 

なかでも私が一番重要だと思っているのが、あなたの支えになってくれる人、大事にしていきたい人を明確にして、その人との関係性を構築していくことです。職場復帰後、自分が心地よく働きながら、家事・育児を続けていくためには、周囲の人からの協力が絶対に欠かせません。そのためには日頃から丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。家族や友達、職場の仲間には頼りにさせてもらっていることや感謝をしっかりと伝え、これからお世話になる保育園の先生や他の保護者の方には、自分の人となりが分かるような会話をしてみてください。ちょっとした悩みや心配事をポロッと言うことでママ友との距離がグッと近くなることもありますよ。

 

自分で自分を認めてあげよう

私は元々、東京で職場復帰をする予定でした。ところが認可保育園の一次募集で全て落ち、その後の保活でようやく園が決まったタイミングで夫の転勤も決まり、退職をして秋田へ転居したという経緯があります。当時は何もかもが思うようにいかず、子どもに当たりそうになったことも。今、思えば自分のことも周りのことも大切にできていませんでした。今回、ご紹介した内容は、そんな私の反省も交えたものです。

 

もしも今、あなたが不安でいっぱいになっているとしたら、それは職場復帰へ向けて着実に行動している証拠だと思います。まずは復帰を決意したご自分を褒めてあげてください。それは大変な覚悟だし、誰もができることでも、当たり前のことでもありません。

 

復帰後の女性は、頑張っていない時間が全くないというほど頑張ってしまうもの。そんな時もご自分への労いを忘れないでください。そして自分を支えてくれる人や大事にしたい人への感謝や丁寧なコミュニケーションを大切にしてほしいと思います。

 

【話を伺ったのは】

田代 悠佳さん

TCS認定コーチ/MCS認定シニアマザーズティーチャー/PAA認定パートナーシップコーチ。金融機関に就職後、結婚・出産。育休復帰の直前に夫の転勤が決定し、退職。東京から秋田へ転居。自身の子育てに危機感を感じたことから、マザーズコーチング講座を受講。その後、コーチ資格を取得し、育休中の方やキャリアに悩む女性を中心ににコーチング講座やセッションを提供している。