高齢のおひとり様は増加の一途だが…5人に1人は月所得は10万円程度
食卓を囲む、お父さんとお母さんと子どもたち、そしておじいちゃん、おばあちゃん。テレビアニメやドラマでたまに見かけるそんな光景に、昭和世代の人たちは懐かしさを覚え、いまどきの若い人たちは教科書で見たことがあるシーンだと思うでしょう。
この数十年で日本の家族構成は大きく変わり、核家族化が進みました。当然、「高齢者のいる家族」のカタチも大きく変わっています。
内閣府『令和4年版高齢化白書』によると、2019年、「65歳以上の高齢者がいる」世帯は2,558万4000世帯。全世帯の実に49.4%。2000年は34.4%でしたから、わずか20年で15ポイント近くも「高齢者のいる家族」が増えたことになります。
その内訳をみると、最も多いのが「夫婦のみの世帯」で32.3%。続く「単独世帯」は28.8%、「親と未婚の子のみの世帯」が20.0%。冒頭にあるような「3世代世帯」は9.4%。2000年も「夫婦のみの世帯」が27.1%最多ではありましたが、「3世代世帯」は続く26.5%とまだまだ多く、この20年で急激に減ったことがわかります。一方で「単独世帯」は19.7%。20年で10ポイント近くも増えたことになります。
今後も高齢の単身世帯は増加の一途を辿るとされ、2040年には65以上の男性の5人に1人が、女性の4人に1人がひとり暮らしとなるといわれています(国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』より)。
そんな高齢者のひとり暮らし、その家計をみてみると、平均所得は高齢男性の単身世帯で261.1万円、高齢女性の単身世帯で179.6万円。さらに五分位階級(集計世帯数を五等分して五つのグループを作った場合の各グループのことで、収入の低い方から第I、第II、第III、第IV、第V五分位階級という)でみていくと、収入が最も低い第I五分位階級の所得は、高齢男性の単身世帯で133.8万円、高齢女性の単身世帯で126.3万円。単純計算、ひとり暮らしの高齢者の5人に1人は、月々10万~11万円ほど、年金などを手にして生活していることになります(図表1)。