世界で最も高齢化が進んでいる日本。今後も、さまざまな問題に直面するといわれていますが、そのなかのひとつが、介護問題。そこには恐ろしい未来が……みていきましょう。
妻が認知症、夫まで認知症…80代夫婦、10組に1組が「認認介護で共倒れ」という、日本人が間もなく迎える悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

深刻化する「老老介護」問題…さらに夫婦ともに認知症という、とんでもない事態に

超高齢化社会のなかで、さまざまな問題がいわれていますが、そのひとつが介護問題。そのひとつが「老老介護」。65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護している状態を指します。厚生労働省では要介護者と主な介護者の年齢がどのくらいなのかを調査していますが、2016年値で65歳以上の要介護高齢者がおり、かつ介護する側も65歳以上である世帯は54.7%。さらに介護される側・する側ともに75歳以上の世帯も30.2%。この数値は年々増加傾向にあります。

 

2016年の調査では、介護が必要になった理由で最も多かったのが認知症で18.0%。ちなみに次に多かったのが脳血管疾患で16.6%でした。認知症で要介護になる人が多いなかで、老老介護が増えているということは、老老介護状態にある夫婦がともに認知症、ということも珍しくありません。このように介護する側/される側がともに高齢者でかつ認知症というケースを「認認介護」といいます。

 

厚生労働省によると、80~84歳の認知症出現率は女性で24.2%、男性で0.16%。単純計算、共に80代の夫婦の4%が認認介護状態にあると考えられます。ただこの数値、男性の場合は平均寿命が81歳ほどと女性に比べて短いので、認知症出現率は低くなっています。そのため、実際の共に80代夫婦の認認介護の割合は、この数値よりも高い可能性が十二分にあります。

 

また将来、男性の平均寿命が現在の女性並みに伸びていくと、認知症出現率も現在の女性と同じくらいになるかもしれません。現状の数値で単純計算すると、24.2%×24.2%で9.5%。共に80代夫婦の10組に1組は認認介護、ということになります。

 

さらに認知症出現率は年を重ねるごとに増加します。現状、85~89歳では女性は43.9%、男性35.0%。共に80代後半という夫婦の15%は認認介護状態にあると推測できます。

 

そもそも介護は精神的にも体力的にもつらく、老老介護となると、共倒れになりかねないリスクがあります。さらに認認介護となると、段々と薬や食事の管理ができなくなるなど、介護そのものが難しくなり、緊急事態の際にも対応できないなど、最悪の事態を迎えかねないのです。

 

核家族化の進行で、高齢夫婦のみの世帯は増加傾向にあります。突然、認認介護状態になるのではなく、たいてい段々とそうなるものですが、周囲はそれに気づかず、いつの間にか……こういうケースも珍しくないでしょう。そうならないためにも、日頃から地域のコミュニティに積極的に参加し、関係構築を築いておくことは、自身が認認介護に陥らないためにできる、有効な対策のひとつです。