歴史的な円安に対し、ついに日本政府はドルを売って円を買う「為替介入」を行いましたが、FXにはどのような影響があるのでしょうか? 株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が為替介入が行われた際の対応法を解説します。
【歴史的円安】プロFXトレーダーは「為替介入」へどう対応すべきか? ※画像はイメージです/PIXTA

個人トレーダーは円安にどう対応すればよいのか

2022年11月、歴史的な円安は一旦落ち着きをみせましたが、為替介入のような国が絡み莫大な資金が流通する相場では、残念ながら個人トレーダーがひとりで立ち向かうことは無謀です。いつどのタイミングで為替介入が行われるかはだれにも予測できないので、いくらチャート分析をしようともテクニカル指標が効かない場面がほとんどです。

 

しかし、今回解説した為替介入のような大きな資金が流れるイベントでも、長期的な流れを変えることは極めて難しいです。為替介入は、相場に大きなインパクトを与えて牽制することは可能ですが、一時的なその場しのぎでしかなく、市場の流れを根本的に変える力は持っていません。

 

このような不安定な相場で大切なことは「待つこと」です。個人トレーダーのなかでも初心者は、ボラティリティの高い相場では焦りが生じて普段なら行わないような行動をしてしまいがちです。プロのトレーダーは、市場が歴史的な円安に右往左往しているという事実を念頭に置いた上で、ボラティリティにあったロットで無理をしないトレードをします。無理なトレードをして無駄な損失を招くことが、長いトレード人生のなかで一番あってはならないことで、かつ、つまらないことでもあります。

 

発言ひとつで相場を大きく動かせるような重要人物ではない個人投資家が不安定な相場でトレードを続けていくには、いままで続けて成果が出ていた手法を資金管理を徹底したうえで行うことが大切です。FXの世界で生き残るには、イレギュラーな事態が起こったときにどこまで対応できるかがものをいいます。FX初心者は、いつでもどこでも常に冷静で、合理的な判断を下すことのできるトレーダーを目指していきましょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員