値上に次ぐ値上げに生活苦…景気の先行き不透明感が増すと、人気が高まる公務員。その安定性が最大の魅力ではありますが、地方公務員はなんとも厳しい環境に置かれているようで……みていきましょう。
税金ドロボーと罵られ…平均給与35万円「地方公務員」の辛すぎる実情 (※写真はイメージです/PIXTA)

恐ろしい…住民からの理不尽なクレーム&迷惑行為

——(昼休みに)コンビニの前でソフトクリームを食べてますよ

——(喫煙所で)タバコ吸ってますよ

——(窓口で)税金で働いているんだから、早くしろ

——税金で生活しているのだからお前たちは奴隷だな

 

ネット上にあふれる、地方公務員に向けられた数々のクレーム。なかにはテレビでも取り上げられ、大きな反響を呼んだものも。驚くようなクレームが、公務員だからという理由で向けられることがあります。

 

自治労『職場における迷惑行為、悪質クレームに関する調査』によると、過去3年間に迷惑行為や悪質クレームを「時々受けている」が42.3%。「日常的に受けている」は3.7%と合わせると、ほぼ半数が迷惑行為や悪質クレームの経験者。さらに「自分はないが、職場で受けた人がいる」人も30.3%に達しています。

 

とくにクレームが多い職場が「生活保護」で76.9%。「児童相談所」61.4%、「住民票・税金・国民年金・国保」58.4%、「保健所」55.7%と続きます。

 

自分が受けた行為で最も多いのが「暴言や説教」で34.9%。「担当者の交替や上司との面談の要求」が28.3%、「長時間のクレームや居座り」が27.6%、「複数回に及ぶクレーム」が24.9%、「大声・罵声・脅迫や土下座の強要」が24.1%と続きます。また「暴力行為」は2.4%ですが、「病院の医療関係職」では13.4%、「公共交通の地下鉄」で8.4%、「生活保護の事務・技術職」では8.3%が経験をしています。

 

調査報告書より、実際の声を聞いてみましょう。

 

●住民票・戸籍・印鑑証明の請求書を記入するところから「いちいち記入させるのか」とクレームが始まり、自分の思うとおりの受け答えをしないと「お前はバカか!」と悪態をつき、証明書を交付する時も小バカにしたような態度でいちいち文句を言われた(戸籍・住民票・印鑑証明)

 

●税金ドロボーと大声で叫ぶ(戸籍・住民票・印鑑証明)

 

●滞納処分のため財産を差押えたら電話で今から殺しに行くと言われた(税金・収納)

 

●市議会議員が住民と一緒に来て、条例上どうにもならない事を「私は市議会議員ですが、何とかして下さい」と言われた(個人番号カード事務センター)

 

●毎月、「保護費が少ない」「担当者がお前に変わってから保護費が減ったため、着服しているのだろう」「今までで1番最悪なケースワーカーだ、早く担当者を代われ」「名前が気に入らない」などの罵声を面前であびせられる(生活保護)

 

●住民による職員に対する頭突き、居座り、罵声など(児童相談所)

 

●トイレの場所を聞かれ、場所が遠いと暴力を受けた(地下鉄)