物価上昇が生活を圧迫するなかでも一向に上がらない給与。豊かな老後を過ごすためには「資産形成」が欠かせませんが、現役世代のなかには「忙しいから投資はまだいいかな……」と考えている人も多いでしょう。そのようななか、タレントとして活躍しながら、投資家・実業家としての顔も持つ杉原杏璃氏は、忙しい現役世代は「売らない・換金しない」が基本原則の「ほったらかし投資」が向いているといいます。では、具体的にどのような商品に投資すれば「ほったらかす」ことができるのか、みていきましょう。
タレント・杉原杏璃が実践する「売らない・換金しない、ほったらかし投資」…向いている投資対象は? ※画像はイメージです/PIXTA

投資信託…「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の違い

ほったらかし投資の話をすると、必ず出てくるのがインデックスファンドという名前です。インデックスファンドは投資信託商品の一つです。

 

投資信託商品の中にはアクティブファンドとインデックスファンドという投資のスタイルがあります。

 

アクティブファンドは、投資のプロフェッショナルがより高い収益を目指して短期で売買を繰り返して投資を進めていくスタイル。高い利益が見込まれる分、リスクも高いと言われています。代表的なものにグロース(成長株)投資やバリュー(割安株)投資などがあります。

 

グロース投資は、企業の成長性や収益性を見て、値上がり予想によって売買する運用です。

 

バリュー投資は、企業の資産や業績から価値を算出して、実際の株価が割安なら投資して、価値に見合う価格まで上がるのを待つという手法です。

 

どちらも当たれば大きく、ハズレたらそれなりの損益となるわけです。ハイリスクだけど短期で高収益を目指す、というのはちょっとほったらかし投資には向かないと思います。

 

アクティブファンドに対してインデックスファンドは、市場の動きに連動していくスタイルです。緩やかに伸びていて安定的な企業に広く投資して、リスクを最小限に抑え、細かい利益を長期にわたって目指すというイメージでしょうか。

 

 キャプション:杉原杏璃氏の著書『お金に働いてもらう!ほったらかし投資』(ポプラ社)より
[図表]アクティブファンドとインデックスファンド
キャプション:杉原杏璃氏の著書『お金に働いてもらう!ほったらかし投資』(ポプラ社)より

 

ほったらかし投資に向いているのはインデックスファンドです。

 

インデックスファンドのインデックスは、「索引」ではなく株価指数のこと。ニュース番組の最後に「現在のTOPI X(トピックス)は〇〇円、日経平均株価は〇〇円、ニューヨークダウは日本円で〇〇円」というのを見たり聴いたりしたことがありますよね。これらがすべて株価指数です。他にもたくさんの株価指数があって、インデックスファンドは、その株価指数に連動するように作られた投資信託の商品です。

 

株価指数が上昇すると値上がりし、下降すると値下がりします。また、株価指数以外にも債券などに連動する商品もあります。