株式投資には興味があるけれど、「どの会社の株を買えばいいかわからない」「銘柄の選び方がわからない」などの不安から、一歩を踏み出せないという人は少なくありません。そこで、タレントとして活躍し、投資家・実業家としての顔も持つ杉原杏璃氏が、初心者でも実践可能な「個別株の選び方」を解説します。
どの会社の株を買おうかな…タレント・杉原杏璃が教える「個別株」の選び方 (※写真はイメージです/PIXTA)

個別株を購入するときの銘柄選び

個別株を購入する際の銘柄選びについて、身近なものや自分の趣味などに関するものがわかりやすいです。私が最初に選んだのは、地元・広島カープが東京で試合する「東京ドーム」の株でした。

 

同じように皆さんの身近な企業の株が売られていたら、購入する前に調べておくことをおすすめします。

 

杉原杏璃氏の著書『お金に働いてもらう!ほったらかし投資』(ポプラ社)より
[図表]JALやNTTデータのIRのページ 杉原杏璃氏の著書『お金に働いてもらう!ほったらかし投資』(ポプラ社)より

 

その企業のホームページの中の、IR情報を見てみましょう。IR(Investor Relations)とはインベスター(投資家・株主)リレーションズ(伝える・繫ぐ)の略で、企業が株主や投資家に対し、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供していく活動全般を指し、IR活動ともいいます。

 

企業はIR活動を通じて株主、投資家などと意見交換することで、理解を深めてもらい、信頼関係を築いて、株価の正当な評価を得ることを目的としています。逆に、公開することで、外部からの厳しい評価も受けられ、経営の質を高めることに繫げられます。

 

株を上場している会社は決算報告書を作成し公開しています。それもIR情報や投資家向け情報というページで見ることができます。決算報告書では、その会社の事業が順調かどうか数字で確認することができます。株を買うかどうかの大きな判断材料にもなります。

 

決算報告書には「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」「損益計算書」が載っています。 「貸借対照表」では会社の資産・負債・資本を確認できます。「キャッシュフロー計算書」では、会社に入ってくるお金と、出ていくお金の収支がわかります。お金の流れから経営状態を判断できます。

 

「損益計算書」は会社の利益がどのくらいあったのか示しています。「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引き当期純利益」「当期純利益」の利益が載っています。その中で「当期純利益」がプラスなら黒字、マイナスなら赤字を出したということになります。

 

他にも東洋経済新報社が発行している「会社四季報」という雑誌で、その会社の投資にまつわる情報を知ることができます。本のタイトル通り、季刊で春夏秋冬に刊行されています。 

 

中には会社概要、経済記者の分析、株主や役員の情報、財務情報、株価の動き、株価指数、業績の推移、配当金まで、投資に必要とされる情報が第三者の目線で書かれています。

 

実本は分厚いのですが、現在はデジタル版もありますから、試しに見てみるのもいいと思います。暇な時に眺めていると、興味深い情報に出くわすこともあります。