「半導体不足」「原材料高騰」で企業の設備投資に遅れ
地方における財務省の業務を総合的に行う財務局による特別調査『地域企業における設備投資の現状及び今後の方針について』の結果が公表されました。地域企業における設備投資の現状と今後の⽅針について把握するため、各財務局等が管内の企業等に調査したもので、調査期間は2022年9⽉中旬〜10⽉中旬、調査対象は全国1,182社。その内訳は資本金10億円以上の大企業が554社、資本金1億~10億円未満の「中堅企業」が294社、資本金1億円未満の「中小企業」が329社、商業組合や公的な団体等が5社となっています。
2022年度の設備投資は全産業で前年度比16.2%増の見込みで、製造業では26.3増%、非製造業では11.2%増でした。増加については「 DX化対応のための投資の増加」「需要の増加による⽣産能⼒増強投資の増加」「⼤型設備投資やソフトウェア投資の増加」などといった要因があげられる一方、減少については「前年度の⼤型投資の反動」といった要因があげられました。
ただ設備投資の現状として「計画通りに実行する見込み」という回答は79.5%で、前年から10ポイント近く減少。一方で「計画を下回る」という回答が18.2%と、前年から6ポイントほど増加しました。設備投資の遅れの理由として「供給制約の影響」「原材料価格の高騰」があがっています。
【企業からの声「設備投資の遅れ」について】
「供給制約」
・半導体部品の供給が遅れており、未だ⾒通しがつかない状況 【⾷料品・ ⼤企業・九州ほか】
・ウクライナ情勢に起因した供給制約により納⼊が遅れることが懸念される 【⼩売・⼤・東北】
「原材料価格⾼騰」
・物価上昇によるコスト増加や、部材不⾜による納⼊遅延が考えられる 【パル プ・⼤企業・⼤・四国】
・直ちに設備投資を中⽌する訳ではないが、コストを抑えるために調達ルートを 変更したりと、投資が遅れる要因となる 【⼩売・⼤企業・北海道】
出所:財務局『地域企業における設備投資の現状及び今後の方針について』より抜粋