都道府県別にみる「派遣社員の給与」…派遣料金もチェック
一方、派遣社員の給与はどのようになっているのでしょうか。一般社団法人日本人材派遣協会『労働者派遣事業報告 都道府県別集計(2018年度)』でみていきましょう。
まず1日8時間あたりの派遣料金の全国平均は2万3,044円。雇用期間別にみていくと、無期雇用派遣労働者の平均は2万4,663円、有期雇用派遣労働者の平均は1万8,893円となっています。
都道府県別にみていきましょう。最も派遣料金が高いのは「東京都」で2万8,064円。「神奈川県」「大阪府」「高知県」「茨城県」と続きます。一方、派遣料金が安いのは「山形県」で1万7,079円「沖縄県」「群馬県」「滋賀県」「鹿児島県」と続きます。
では実際に派遣社員に入る給与はいくらくらいになるのでしょうか。1日8時間労働の全国平均は1万4,888円。雇用期間別にみていくと、無期雇用派遣労働者の平均は1万5,784円、有期雇用派遣労働者の平均は1万2,604円です。一般的な派遣社員であれば、1ヵ月22日勤務で35万円程度、手取りにして26万円程度、手にしている計算です。基本的に昇給や賞与はなく、企業によっては交通費もありませんから、時給にその分を上乗せした時給となり、月収としては正社員よりも高くなるケースも多いようです。
ただし前述のとおり、一般的に賞与は見込めませんから、年収にすると単純に12倍。正社員との給与差は平均で100万円近くになります。
都道府県別にみていきましょう。最も高いのは「東京都」で1万7,989円。22日勤務で月40万円弱稼げる計算です。続く「神奈川県」は1万6,856円。以下「大阪府」「茨城県」「千葉県」と続きます。一方、最も給与が低いのは「鳥取県」で1万1,248円。仮に1ヵ月に22日働いたら25万円弱。1位と47位で1日6,700円ほど、1ヵ月で15万円程度、1年で180万円もの給与差が生じる計算です。
確かに給与といった面では、正社員と派遣社員では格差が存在します。ただ派遣社員の魅力といえば、やはり自由度。ライフスタイルに合わせて、働き方を変えられるスタイルは、これから先、ますます重宝されそうです。
ただ問題は「不本意ながら派遣社員」という人たち。たとえば就職氷河期世代の人たちは正社員を目指すも正社員になれず、派遣社員を続けているというケースは多くあります。そこには給与格差があるわけですから、何とかしたいもの。昨今は氷河期世代の正社員化支援も活発化しているので、「不本意派遣社員」の問題は解消されるかもしれません。