富の象徴であるタワマン。高さ60m、20階以上のマンションの総称ですが、その購入者は長らく富裕層とされてきました。しかし昨今は、夫婦ともに高所得というパワーカップルがメインターゲットだといいます。さらに購入したタワマンも、築浅のうちに売却してしまうケースも珍しくないのだとか。みていきましょう。
世帯年収2,000万円超のパワーカップル…「都心のタワマンを1億円で購入」もすぐに売却を決めたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

都心・億超えのタワマンを購入…パワーカップルの返済プランは?

不動産経済研究所が発表した2022年度上半期の一都三県の新築マンション発売戸数は1万2,271戸で、前年同期比4.2%減。1戸あたりの平均価格は6,333万円で、こちらも前年同期比5.5%の下落でした。

 

落ち込みが大きかったのは東京都で、販売戸数は区部で11.8%減、都下で32.8%減。平均価格は区部で7,768万円の10.6%減、都下で5,174万円の6.2%減。一方、埼玉県や千葉県では、販売戸数も平均価格も増加。神奈川県では販売戸数は減ったものの、平均価格は前年同期を上回っています。

 

このような結果になったのは、高価格帯のタワマンの発売が少なかったというのが一因。規模が大きく、価格も周辺部よりも2〜3割増しというタワマンのインパクトが、どれほど大きいかを物語っています。

 

そんなタワマン、主要顧客が富裕層からパワーカップルと呼ばれる消費欲旺盛な高所得同士の共働き夫婦になっているというのは、よく聞く話。もちろん、都心一等地、5億も10億もするタワマンはさすがに検討すらできませんが、たとえば1億円程度のものであれば、余裕で購入を検討するクラスです。

 

たとえば世帯年収2,000万円超えのパワーカップル。手取り年収は1,300万円ほどです。仮に都心の1億円のタワマンを、30年ローンで購入したとしたら、支払プランはどうなるのでしょうか。金利は1.0%、返済方式は元利均等とすると、支払総額は1億1,579万0,053円で、月々の支払いは32万1,639円。世帯年収に対する返済負担額19%程度と、フルローンでも無理なく返済可能。一方の収入だけでは少々苦しい返済プランとなりますが、二人合わせれば、億ションも余裕で買うことができるのです。

 

羨ましい限りの都心のタワマンでの生活。しかしせっかく手に入れた優雅な生活も手放してしまうケースも多いといいます。返済が苦しくなったなど、経済的な要因があるわけでもないのに……です。