公的年金が頼りとなる老後。そこで破産してしまう人のなかには、「昔は高給取りだったのに……」という人も珍しくありません。なぜ経済的に余裕がありながらも、破産を迎えてしまうのでしょうか。みていきましょう。
年収1,200万円超「50代・大企業の部長」はまだ知らない…定年後に直面する「老後破産」の危機 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本の部長…大企業にもなれば年収1,200万円!

会社員であれば、出世街道に乗れるか、それとも乗れないかで、大きく給与は変わってきます。

 

サラリーマンの平均給与は年546万4,200円(平均年齢44.1歳、平均勤続年数13.7年)。20代前半で330万円ほどだった年収は、40代後半で600万円に達し、50代前半に671万9,400円でピークに達します。これが平均値。そこに出世という要素をプラスするとどうでしょう。たとえば部長まで上り詰めたとしたら……。

 

部長職の平均年収は推定915万2,700円(平均年齢52.8歳、平均勤続年数22.8年)。さらに従業員規模1,000人以上といった大企業の部長となると、平均年収は推定1,200万8,300円と、大台をサラリと超えます。給与という点では、会社員としての成功者といえるでしょう。

 

【年齢別「サラリーマンの年収」と「サラリーマン部長の年収」】

「20~24歳」3,329,700円/ 4,200,000円

「25~29歳」4,185,300円/ 4,991,600円

「30~34歳」4,859,800円/ 6,775,700円

「35~39歳」5,456,800円/ 7,794,000円

「40~44歳」5,911,100円/ 8,274,400円

「45~49歳」6,273,400円/ 8,936,200円

「50~54歳」6,719,400円/ 9,690,300円

「55~59歳」6,660,700円/ 9,839,300円

「60~64歳」4,777,200円/ 8,431,700円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

※数値左:男性会社員の推定年収、右:男性部長職の推定年収

 

会社員としての成功者は、会社員を引退し年金生活に突入してからも受給する年金額が多く、そういった意味では成功者であり続けるといえるでしょう。厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)の平均年金額は老齢年金で月額14万6,145円、男性65歳以上に限ると17万0,391円です。20万円以上の年金を手にしているのは元会社員の16%ほど。25万円以上となると1.8%、30万円以上となると0.1%。高額の年金を手にする元会社員は、ほんのひと握りの人だけです。