颯爽と自転車を走らせる、フードデリバリー。いまや街中で見かけない日はないというほど日常の風景になりましたが、サービスを利用した人から「意外と中高年の配達員が多い」という声が多く聞かれます。そんな中高年のフードデリバリー、気になるのは給与事情ではないでしょうか。どれほど働き、どれほど稼ぐことができるのか……みていきましょう。
44歳・大卒会社員「平均月収44万円」だが…中高年のフードデリバリー、驚きの給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

2021年「転職者は290万人」

総務省『労働職調査』によると、2021年の転職者は290万人。転職者率(一定期間の内に労働者が会社を退社して、転職をしようとする人の割合。転職者数÷総労働者数)は4.3%でした。年齢別にみていくと、最も転職率が高いのは「15~24歳」で9.8%。定年あたりの60歳前後で上昇するものの、基本的に年齢が上がるにつれて減少する傾向にあります。また男女別にみていくと、女性のほうが転職率は高い傾向にあります。

 

【転職数と転職率(2021年)】

15~24歳:53万人(9.8%)/24万人(8.7%)/29万人(10.5%)

25~34歳:68万人(6.0%)/30万人(4.9%)/38万人(7.4%)

35~44歳:55万人(4.2%)/22万人(3.0%)/33万人(5.6%)

45~54歳:52万人(3.2%)/20万人(2.3%)/32万人(4.4%)

55~64歳:42万人(3.6%)/23万人(3.5%)/18万人(3.5%)

65歳以上:21万人(2.3%)/14万人(2.6%)/7万人(1.9%)

 

出所:総務省『労働職調査』より

※数値左より、男女合計/男性/女性の転職者数、(かっこ)内は転職率

 

転職者数は、2017年311万人、2018年330万人、3019年353万人と増加傾向にありましたが、2020年321万人、2021年290万人と、コロナ禍で一転、減少傾向に。とはいえ、コロナからの回復で転職者数も元に戻るというのが大方の見方で、いまや転職はキャリアアップのための当たり前の手段となった感はあります。

 

しかし転職の理由はキャリアアップだけではありません。会社の経営が傾き、職を変えざるをえない場合もあるでしょうし、人間関係がうまくいかずに新天地に希望を見出そうとした人もいるでしょう。そんなとき、スムーズに次の職が決まればいいのですが、そうはいかない場合も。特に年齢の壁は大きく、年齢が上がるにつれてそれ相応のキャリアや実績を問われるようになり、とりあえず職に就く、というのが難しくなります。

 

——仕事を辞めたけど、どうやって生きていけばいいのか

 

特にこのコロナ禍では、途方に暮れる中高年があふれました。そんな彼らを救ったのが、急速に広まったフードデリバリーです。