年収1,900万円・タワマン暮らしの勝ち組人生が一転…「社会不適合医師」の哀れすぎる末路

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年収1,900万円・タワマン暮らしの勝ち組人生が一転…「社会不適合医師」の哀れすぎる末路
(※写真はイメージです/PIXTA)

医師は所属する組織とは別に、非常勤などアルバイトのような形態で働くことができます。非常勤は好条件での募集が多いことから、医師のなかには特定の病院には所属せず「フリーランス」として稼ぐ人も少なくありません。今回、高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭氏が、スキルや知識もないままに「儲かる」という甘い考えでフリーランスとなった医師Xの「悲惨な転落人生」を紹介します。

非常勤医師の高収入に魅了され、半年未満で医局を退局

こうして迎えた、社会人初の夏休み。そういえば、医局スタッフ・同期、病棟看護師などのスタッフともウマがあわない。預金通帳を開けてみると、毎月25日にコンスタントに25,000円の振込があり、まったくお金が増えていない……。

 

俺は、こんな冷遇されるために医師になったのではないはず。もっと、ほかの先生のようにキラキラした人生を歩みたい。

 

そう思いついたX医師は、まず資金を稼がなくては……と作戦を練り、非常勤医師(スポット医師)の案件をインターネットで探しあてた。

 

この夏季休暇5日間で募集をしている案件を探すと

 

「健康診断担当医師:9時から17時、日給8万円。交通費別途支給」

 

といった案件が、休暇5日すべてで募集があった。早速、インターネットで応募すると、すかさず「勤務確定」という返信。「キラキラした未来」に近づいた気がして、天にも昇る幸福感に包まれていた。

 

この案件の業務内容というと、企業健診80名の問診・聴診のみと汎用性が高い案件であり、高血圧等が健診で判明した際には、医師にも関わらず「医療機関で受診してください」と冷静に伝えるだけという業務内容であった。

 

夏季休暇5日間を「健診」という甘い誘惑の勤務にすべて捧げ、得られた40万円の収入。いまの研修などの勤務内容、稼ぎがいかに非効率的なのだろうか、いつまでこんな馬鹿げた修行をすればよいのかと自問自答することが増えた。

 

「いっそのこと医局をやめて、健診のような楽な道で稼いだほうが人生を楽しめる」という悪魔の囁きに負け、9月末日で眼科医局を退局する方針を書面で伝えた。

 

医局長・教授からは「そんな倫理観では医師としては務まらず、長続きしないぞ。患者さん、家族に失礼ではないのか」という忠告もスルーして、10月からは念願のフリーランス医師となった。

 

この時期の秋は、企業からの健康診断・インフルエンザワクチン接種などの案件が目白押しであり、大学医局の100倍以上の効率のよさに魅了され、資金を集めるためにがむしゃらに働いた。

 

週6~7日の勤務であったが、勤務内容として難易度は低く汎用性が高いこと、加えて、この時期では各大学の医局勢力が全盛期であり、フリーランス医の競合がかなり少ないため、応募した案件ほぼすべてが勤務確定となった。

 

1日あたり平均10万円の収入で月に25日働き、月収250万円(大学医局の約100倍)。患者が多い盛業中の開業医、都心部の人気ホステス並みの稼ぎであり、入金された銀行口座通帳のけた外れの預金残高の数字に喜びをかみしめ、彼のフリーランス医としてのモチベーションはさらにヒートアップした。

 

この勤務が1年続き年収3,000万円に到達したところで、2,000万円の高級外車を一括で購入し、次は都心部での賃料30万円の高級マンション、その次は露天風呂付で専有面積120㎡を超える会員制リゾート会員権の最上位(1,800万円/年間13泊)……と、脳内で夢見ながらも、客観視点からは味気のない連日の業務を繰り替えしていた。

 

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