新入社員の多くが3年で辞めてしまう、もはや常識ではありますが、なかには、しがらみの多い組織人という生き方を捨て、「非正規社員で悠々自適に生きていく」という選択をする人も。お金では買えない幸せを選んだ先には……みていきましょう。
手取り16万円・非正規の会社員「年収100万円減っても幸せ」のはずが…65歳で後悔する「衝撃の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「低収入でも幸せ」は現役引退後も続く…それでも幸せといえる?

さらに「低収入でも幸せ」という選択をするのなら、「死ぬまで低収入でも幸せ」といえる覚悟があるか、熟考を重ねておくことがおすすめです。

 

現役を引退し、手にするのは公的年金。実際に手にする年金額は下記で算出されます。

 

【国民年金】

年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)

【厚生年金】

■加入期間が2003年3月まで

平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数

■加入期間2003年4月以降

平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数

 

生涯、正社員にしがみついた人生であれば、厚生年金部分が「53万×5.481/1000×456」でおおよそ月11万円。国民年金が満額もらえたとしたら、月17万4,000円ほど手にできることになります。

 

一方、途中で非正規社員として悠々自適に暮らしてきた人生であればどうでしょうか。「26万×5.481/1000×456」で、厚生年金部分は月5.4万円ほど。国民年金が満額もらえたとして、月々12万円を下回る程度となります。

 

収入を得る手段が限られる老後。月に5万〜6万円ほどの収入差、これが一生、続くわけです。このような状況も加味し「低収入な幸せ」を選んだのであれば何もいうことはありません。年を重ねていけば、医療費は膨らんでいきますし、そのうち介護を必要とする日も訪れるかもしれません。高齢者というだけで賃貸住宅の審査は厳しく、住むところに苦労することも。低収入の高齢者がいかに厳しい生活を強いられているかは、いまの高齢者の暮らしぶりをみれば明らかでしょう。

 

お金がすべてというわけではありませんが、悠々自適な暮らしには、それ相応のリスクもあることを知っておくべきなのです。