岸田総理の発言で注目が高まっている「学び直し」。従来から口にしていた「人への投資」の延長線上にあるワードですが、就職氷河期世代への支援でも頻出する言葉です。しかし当事者からは歓迎の声はあまり聞こえてきません。みていきましょう。
手取り23万円「50代パート勤務の氷河期世代」諦めの境地「もう、何やってもムダ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

氷河期世代支援としての「学び直し」…意味がないの大合唱

岸田首相は、10月3日衆参両院の本会議で行った所信表明演説で、「日本経済の再生が最優先」だと言明。「物価高・円安への対応」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」と、3つの重点分野を挙げました。そのうち、成長のための投資と改革では、「学び直し」に5年間で1兆円を投じると表明しています。

 

これは企業人に対して、スキルを高めることで成長分野に移り、生産性を高めて賃上げにつなげる好循環を狙ったもの。「賃上げと労働移動の円滑化、人への投資という3つの課題の一体的改革に取り組む」と説明しています。

 

ここにきてキーワードになっている学び直しですが、2019年に策定された就職氷河期世代を支援する「就職氷河期世代支援に関する行動計画」でも多く語られています。この計画は、コロナ禍によりその目標は遠く及びませんが、3年間で氷河期世代30万人を正社員化するというものでした。

 

学び直しについては、まず「短期資格等習得コース事業」。業界団体が実施する(1~3ヵ月程度)の無料の職業訓練により、正社員での就職につながる資格や技能の習得を目指すというもの。訓練修了後は、職場見学や職場体験により業界や仕事への理解を深め、会社説明会、面接会等による就職支援を行うとしています。また雇用保険を受給できない求職者に向けて、無料で職業訓練を受講しながら、要件を満たせば月10万円の受講手当等の給付金を受け取ることができる「求職支援制度」も。BSテレビ、ラジオ、インターネットを通じて提供する「放送大学」も支援施策のひとつに挙げています。

 

ただこの計画、コロナ禍を理由に挙げていますが、成果が出ているとは言い難い状況だといいます。広報が不足し、支援を必要とする人たちに情報が行き届いていなかったり、そもそも参加者すら把握していないずさんな事業であったりと、さまざまな欠点が指摘されています。それ以上に「氷河期世代は諦めの境地にいて、支援するには遅すぎた」という声も。