誰もが夢見るマイホーム。しかし、不動産営業マンのセールストークや周囲の意見に流されず、自身の収入やライフプランに沿った価格で検討できなければ、幸せな生活が一転、最悪の場合「破産」「差し押さえ」という最悪の結末を迎えるかもしれません。FP Officeの久保雅巳氏が、マイホーム購入計画の立て方について、2組の夫婦のエピソードをもとに解説します。
「全額ローンのマイホーム」で撃沈…42歳・公務員、毎月の返済額に「もう、ムリ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「パートは扶養の範囲内で」は本当にベストな選択肢?

住宅購入をきっかけに奥様がパートを始める。ただし「扶養の範囲で」とおっしゃる方が多いです。しかしその働き方で本当に良いのでしょうか?

 

「130万円の壁」と言われていた社会保険における被扶養者の目安は、2022年10月より「106万円の壁」と、被扶養者の適用条件が引き下げられます(従業員数101人以上規模の企業に勤務、月額賃金8.8万円以上、週所定労働時間20時間以上、1年以上の雇用見込み、学生以外)。

 

この10年間で最低時給が全国平均212円上昇(2012年→22年/最低時給749円→961円)したため、2012年に年収103万円であったパート社員さんが2022年に同じ時間働くと、年収は132万円にまで上昇しました。

 

「働くなら扶養の範囲内!」と安易に決めつけず、家計の理想収入額、無理のない働き方、扶養を外れることによって受け取れる将来の年金のUP額などを考え、しっかりと就労計画を立てていきましょう。

「夢のマイホーム」だけに、決して簡単ではない

住宅は大きな買い物です。「夢のマイホーム」という言葉もあります。すばらしいモデルルームを見て、幸せな日常を想像し買いたい気持ちは高まるばかりです。家を買いたい気持ちは、恋愛に似ているかもしれません。

 

住みたい街、2つとない土地・部屋、誰しもが理想のマイホームを手に入れたいことでしょう。すばらしいことだと思いますが、夢のままで終わらないように、今後の生活、仕事、家族のことなど考え、ライフプランを立てたうえで、「理想の生活」を実現できるマイホームを検討することが重要です。

 

 

久保 雅巳

FP Office

ファイナンシャル・プランナー