父親の家庭内地位低下とお金の教育…意外な「共通点」
古きよき時代の象徴としてよく取り上げられる国民的アニメサザエさん。一家の大黒柱の波平さんが「ばっかもーん!」と怒るシーンが象徴的な1コマとして挙げられるが、現代の家族事情を見てみると昭和のサザエさんの様にお父さんが大黒柱として君臨している家庭は比較的少なくなったのではないだろうか。
要因の1つとしてよく取り上げられるのが、給料の受け取り方の変化だといわれている。私も小さいころ記憶があるのが、月に1度お給料袋に入った現金を持ち帰ってくる父の姿だ。
現金を実際目にすることでお父さんが働いてお金を稼いでくれるから私たちはこうやって生活ができるんだという家族の自然な感謝の気持ちがあったと思う。また父自身も勤務先から現金で直接手渡しで受け取ることで、働かせてもらってお給料をもらえているという感謝もあったのでないかと思う。
お給料の受け取りが現金での受け渡しから銀行振り込みになったことで直接お金を受け取り家に持ち帰ることは無くなってしまった。紛失や盗難のリスクは無くなったが、月に1度実際に現金として給料を目にすることが無くなった。人間というのは気づいてはいてもやはり実際目にしないと感覚として受け取り方は弱くなる。
実際稼いでいるのは旦那さんでも奥さんが銀行から引き出してしまったらやはり稼いでもらっているという感謝の気持ちが薄くなるのは当然である。
共働き家庭が増えたなどの要因もあるのであろうが、給料の受け取り方によって世の男性の家庭的地位が下がったのでは? という意見には私としては頷ける部分がある。このように人は目に見えないものというのは、気づいてはいても感覚としては鈍くなりがちである。
お給料が現金受け取りから銀行振り込みになったように、昨今は国の推進政策もありキャッシュレス化が急速に進行している。国がキャッシュレスを推進する理由の1つとして目に見えないので消費が喚起され経済対策になるのではということも挙げられているくらいである。
誰しもついついカードで買い物をしすぎてしまい、後悔したということがあるのではないだろうか? ある分しか使えない現金での購入と比較すると格段に多いと思われる。これも要因としては目に見えなくなるため感覚として鈍くなるからであろう。
世の大人たちがそうなのだから子供たちにもキャッシュレスが浸透していくとさらに深刻な問題になるだろうというのはいうまでもない。私も実際何度か聞いたことがある。