厚生年金に加入すれば、将来的に「年金」が増えるが…
厚生労働省『令和4年7月分 毎月勤労統計調査』によると、パートは全国に1627万人。平均的な労働時間をみていくと、出勤は14.1日、残業時間合わせて81.3時間働いています。平均的な賃金についてみていくと、時間当たりの給与は1,234円。月給(所定内給与)は9万7,618円、月収(現金給与総額 )は10万5,920円。平均的なパートであれば、専業主婦(夫)は扶養から外れる可能性が高いということ。扶養でいるために、さまざまな調整が必要であることがわかります。
扶養に外れるかどうかのボーダーラインといえる、月8.8万円の収入があるパートが、厚生年金に加入した場合を考えてみましょう。5年間加入したとすると月2万8,939円、10年間加入したとすると月5万7,879円の増額となります。
8万8,000円×0.005481(昭和21年4月2日以降生まれの場合の乗率)×60ヵ月=2万8,939円
8万8,000円×0.005481(昭和21年4月2日以降生まれの場合の乗率)×120ヵ月=5万7,879円
国民年金の受給額は6万4,816円(満額、2022年4月~)ですから、5年間の加入で9万3,755円に、10年間の加入で12万2,695円を手にできるということになります。
では社会保険に加入するのが得なのでしょうか、それとも損なんでしょうか? これはメリットとデメリットを天秤にかけ、それぞれが判断することでしょう。
メリットとしては、保険料を会社と折半できるうえ、老後に受け取れる年金額を増やすことができること。また充実した保険制度を利用でき、たとえば要件を満たせば、出産手当金や出産育児一時金なども支給されます。
デメリットとしては、手取りが減ること。たとえば月収10万円、年収120万円だとすると、手取りは103万円ほど。それなら配偶者の扶養に入っていたほうがいい……そう判断する人もいるでしょう。
長い目でみたときのメリットか、それとも目先のメリットか。よく考え、働き方を検討したいものです。