大卒50代・非正社員…7人に1人が「生活費月12万円」の貧しさの中にいる
さらに大卒50代・非正社員の給与分布をみていくと、中央値は月22万3,100円。月16万円未満、手取り月12万円未満が14.0%と、7人に1人という水準です。大学まで出たのに、50代にして生活費が月12万円以下……悲惨といわずにはいられません。
50代ということは、あと10年ほどで定年。昨今、正社員化の支援が活発に行われていますが、企業側もあと10年ほどで定年という人を採用するほど、体力はありません。大卒・50代・非正社員の人たち、もう正社員への道は閉ざされたといってもいいでしょう。
65歳になれば年金がもらえますが、支給額は現役時代の給与を反映していますから、年金だけで暮らしていくなんて夢のまた夢。年を重ねても仕事ができるうちは仕事をする、という未来しか描くことはできません。後期高齢者になれば介護を必要とする人も増えていきます。しかし無償でというわけにはいきません。十分な介護サービスも受けられずに……そんな未来が目に見えています。
悲劇的な未来はもちろん、昨今の物価高で、まさに“いま”の生活も厳しさが増しています。聞こえてくるのは、自虐ともいうべき声。
——やった! 今日は肉が食べられた
——カップ麺…今日はご馳走です!
——電気もガスも止まっているけど、水道があるから大丈夫
もう開き直るしかなくなったともいえる、50代・非正社員の人たち。貧困という負のスパイラルは断ち切るのは難しく、不幸は生きてる限り続く……といっても言い過ぎではありません。