依然として好調に推移する不動産価格。それを牽引しているのがタワーマンションです。その魅力はなんといっても資産価値。「購入価格よりも高く売却できた!」という声は多く、人気を押し上げています。しかし、資産価値を大きく下げることになるかもしれない、不穏な予想も……みていきましょう。
日本を買いあさる外国人…爆買いの先にみえる「タワマン大暴落」という悲劇的な末路 (※写真はイメージです/PIXTA)

不動産に良いニュース…一方で「不動産価格暴落」を引き起こすリスクも

さらにコロナ禍で定着したテレワーク。最近は再び出社という流れもありますが、一方で、全国どこでも居住可とする流れも、大企業を中心に起きています。それにより注目されているのが、東京周辺の郊外のタワマン。都心に比べて環境はよく、万が一出社する場合にも便利、しかも今後資産価値の向上も期待できる点で人気なのだとか。

 

また話題を呼びやすいタワマンがあちらこちらにできているので、一見すると、供給過多の印象を持ちがちですが、新築マンションの供給数は需要の割に増えていないのが現状。その余波で中古マンションに注目が集まっています。そのため新築マンション価格は値崩れすることなく、さらなる上昇、または高止まりするだろうといわれています。資産価値に注目してマンション購入を考えている人にとっては、好材料でしょうか。

 

ただ、良いニュースばかり……とはいえないのは、マンションにおいてもそう。まずは金利。2022年に入り、「10年型の固定金利」はじわりじわりと上昇。いまのところ、変動金利が低水準の状況にあるため、目立った影響は出ていませんが、世界的には利上げがトレンド。低金利が起爆剤となって価格を押し上げていましたが、いつ終焉を迎えるかは不透明です。

 

また建築コスト高騰の終息もみえないところ。半導体不足で給湯器が不足、などという問題も生じました。世界情勢が混迷を極めているなか、解決時期が不透明になっています。資産価値向上とは違うところでのコストアップは、需要減退を呼び起こし、そのうち不動産価格を押し下げる要因になるとされています。

 

そして大挙している押し寄せている外国人投資家の動向も気になるところ。いまは円安により大きなメリットを享受できていますが、一転、円高となれば、潮が引いたようにいなくなる可能性も。タワマンを買いあさっていた外国人投資家が、一気に売りに転じれば、当然価格は暴落。資産価値向上を目論んでいたのに「いまや買った時の半分に……」、そんなことも考えられるのです。

 

外国人投資家はタワマンをあくまでも「投資」としてみています。価格下落を察知すれば当然売るでしょうし、十分利益が出ればそれはそれで売ることになるでしょう。超円安によりマンション価格の今後は外国人投資家の手に委ねられた、という専門家も。タワマン購入を考えている人も、すでにタワマンオーナーの人も、為替動向と外国人投資家の動向は、注意深くみておくことが賢明です。