ネット上で白熱した議論がかわされる話題として、定番ともいえるのが「専業主婦優遇」。「なぜ、会社員の専業主婦ばかり、こんなによい思いをするのか!」といったものです。しかし、そんな専業主婦優遇も廃止が濃厚だとか。みていきましょう。
あまりに不公平!SNSで議論白熱「専業主婦優遇」廃止へ進むのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

専業主婦優遇…不公平だし、女性の就労の邪魔にもなっている

ただし、このような優遇措置ができたのは、1980年代。片働きが圧倒的に多かった時代です。メリットを享受できる人が優勢だったので歓迎されていました。しかし時は流れ、いまや、共働き世帯が片働き世帯の2倍近くいるといわれているなか、「専業主婦優遇は時代に合っておらず、不公平だ」という論調が強くなってきたのです。

 

・自営業者の妻は保険料を納めないといけないのに、会社員の妻に納付義務がないのは不公平だ

・第3号被保険者に留まろうと調整を図る原因になっていて、女性の就労の阻害になっている

 

第3号被保険者制度を廃止する方針は、すでに厚生労働省から示されているといわれています。2014年『社会保障審議会年金部会』の資料では、「第3号被保険者制度をやめることについては異論がないと思うが……」と記載があり、第3号被保険者制度の廃止は、既定路線だというのです。

 

また2022年10月からは厚生年金保険の適用範囲の拡大されます。前述の「106万円の壁」の条件として、勤務先の「従業員が501人以上」から「従業員数101人以上」に、さらに2024年には「従業員51人以上」まで拡大します。将来、年金をもらえる人を増やす施策ではありますが、一方で、第3号被保険者制度廃止への試金石という見方をする専門家も。

 

しかし専業主婦優遇のメリットを享受できる世帯は、いまだに何百世帯となりますし、縮小はありえても、いきなり廃止はないだろう、という見方が強いようです。

 

片働きにせよ、共働きにせよ、高齢化がさらに進むなか、現在の水準の年金額を手にする可能性は低く、すべての人に自助努力が求められています。専業主婦優遇に制限されることなく、働ける範囲で働き給与収入を得ることが、老後の安心のためにも、有力な選択肢だといえそうです。