毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」。老後の設計に役に立つツールですが、そこに記載されている年金額をそのまま受け取ると痛い目にあいます。みていきましょう。
年金月19万円…「ねんきん定期便」を過信した大卒サラリーマン、65歳で受け取る「驚愕の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

毎年届く「ねんきん定期便」…しっかりと確認が必要

毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」。年金を受け取るまでだいぶ先といった世代からしたら、「ふーん」といって捨ててしまったり、どこに片づけたか分からなくなっているでしょうか。一方で、老後が見えてきた世代からすると、老後を設計するのに大変役に立つものです。

 

ねんきん定期便は、年齢によって内容が異なります。「50歳未満」は①「直近1年間の年金の月別納付状況」、②「保険料納付額の累計」、③「年金加入期間の累計」に加え、④「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されています。「50歳以上」になると、①から③に加え、⑤「老齢年金の種類と見込み額」が記載されています。

 

50歳未満はあくまでもこれまでに納付した保険料の累計額を年額としたものであり、実際に将来受け取れる年金額ではありません。一方、50歳以上は、このまま60歳まで同じ条件で加入し続けた場合にもらえる額であり、実際に近い年金額だと考えていいでしょう。

 

そんな「ねんきん定期便」、最低限チェックすべきは「年金の月別納付状況」。自身が国民年金、または厚生年金の保険料をどの月に納付したか、という情報です。国民年金の場合は、納付されていれば「納付済」、納付されていなければ「未納」と記載されます。厚生年金の場合は納付額が記され、納付されていなければ空欄となります。

 

そもそも「ねんきん定期便」、2009年に「消えた年金問題」をきっかけに開始されたもの。このときは過去の繁雑な管理体制によって誤りや不備が生じていたものが、オンライン化によって明らかになったもの。もう間違いはないだろう、と考えがちですが、絶対ということはありません。システム上のエラーがあったり、結婚や転勤など、ライフイベントの際の届け忘れがあったり。不備をそのままにしておくと、実際に保険料を払っていた通りに年金がもらえなくなる可能性があるので、注意が必要です。