超過勤務、給料未払い、パワーハラスメント……コンプライアンスが声高らかに叫ばれているなかでも、なくなることのない「ブラック企業」。なかには人知れず、しかし堂々と法律を犯している企業も。みていきましょう。
月収18万円「奴隷のように働いているが…」知らぬ間にブラック企業に勤務、少なすぎた手取り額 (※写真はイメージです/PIXTA)

あれっ、うちってブラック企業…知らず知らずに水準以下で働いているケースも

——いまの会社、給料安すぎてやってられない!

——ブラックを通り越して漆黒……身体壊した

——毎日が怒号がとぶ、地獄の日々

 

劣悪な環境を訴える呟きが、ネット上には溢れています。入社し、すぐにブラック企業だと感じるケースもあれば、一方で「うちの会社、ブラック企業かも」と薄々感づいていくケースもあるようです。

 

——残業70時間、まるで奴隷のように働いているけど、手取りは残業代除いて15万円……これって少ない? うちってブラック?

 

たとえばこのようなケース。厚生労働省によると、支払われる賃金が最低賃金額以上か否かを調べる際、月給制の場合「月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」としています。ちなみに、最低賃金の対象から除外される賃金は、通勤手当や時間外手当であり、職務手当は除外されません。

 

残業代を除き手取り15万円だと、40歳未満と仮定し、額面は17万9,000円ほど。仮に月の所定時間が176時間だとすると、時給換算1,017円となります。2022年10月から最低賃金は引き上げられ、「東京都(最低賃金1,041円)」「神奈川県(最低賃金1,040円)」では、水準を下回る可能性も考えられるでしょう。

 

このように計算、比較すると、最低賃金を下回ることは意外と多く、知らず知らずに法律違反の会社で働いている、というのも珍しくありません。一方で企業側は「最低賃金以下」であることを、十分に認識していることも。実は、そんな隠れたブラック企業のほうが厄介かもしれません。

 

もし「あれっ!?」ということがあるなら、きちんと企業に説明を求めることが重要。そして是正されない場合は、労働基準監督署に訴えるなど、行動を起こすことが大切です。