国税庁から『民間給与実態統計調査』の最新結果が発表され、日本人の平均給与は3年ぶりの増加となりました。「賃金が上がらない」という声がやまないなか、嬉しいニュースに聞こえますが、喜んでばかりはいられない日本の現況もみえてきました。同調査を細かく紐解いていきましょう。
日本人の最新平均給与「443万円」…3年ぶりの増加も、3人に1人は「年収300万円未満」の衝撃 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の平均給与443万円…正社員508万円、非正社員197万円

先日、国税庁から民間企業で働く人の給与実態を明らかにする『民間給与実態統計調査』の最新結果が発表されました。調査結果によると、2021年、民間企業で働く人の平均給与は443万3,000円で、3年ぶりに増加に転じ、コロナ前の水準に戻りました。

 

『民間給与実態統計調査』は、「従事員1人の事業所から従事員5,000人以上の事業所」「各年12月31日現在の源泉徴収義務者(民間の事業所に限る)に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない)」を対象にしたもの。1949年から毎年実施され、日本人の給与を語る際に、よく用いられる調査のひとつです。

 

2021年、対象となった給与所得者は5,269万9,000人。そのうち正社員は前年比3.0%増(参考値)の3,588万1,000人。一方、非正社員は前年比5.7%増(参考値)の1,271万5,000人でした。

 

平均給与(1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たり)は前述の通り、443万3,000円で、前年比2.4%増。男女別にみていくと、男性545万3,000円(同2.5%増)、女性は302万0,000円(同3.2%増)。

 

また雇用形態別にみていくと、正社員の平均給与は508万4,000円で前年比2.6%増。男女別にみていくと、男性正社員で569万9,000円(同3.6%増)、女性正社員で388万9,000円で(同1.4%増)。それに対し、非正社員の平均給与は197万6,000円で前年比12.1%増。男女別にみていくと、男性非正社員は266万8,000円(同17.2%増)、女性非正社員は162万3,000円(同5.9%増)でした。

 

さらに平均給与443万円の内訳をみていきましょう。給料・手当は平均376万7,000円(男性459万8,000円、女性261万5,000円)、賞与は平均66万6,000円(男性85万5,000円、女性40万5,000円)。給料・手当は前年比2.2%増に対し、賞与は前年比3.1%増。コロナ禍からの回復で業績が伸びた企業は、賞与で還元するケースが多かったことがうかがえます。