2021年の婚姻数は50万件ほど。誰もが幸せな将来を思い描いて結婚するものの、別れを選択するケースも珍しくありません。最新の離婚事情をみていきましょう。
最新・都道府県「離婚率」ランキング…全国平均をはるかに凌駕する「別れる夫婦」が多い県 (※写真はイメージです/PIXTA)

離婚でひとり親に…経済的に困窮する母子世帯が多い都道府県は?

ひと言で「離婚」といっても、事情はさまざま。子どもがいる場合は、多くが「母子世帯」、または「父子世帯」となるでしょう。ひとり親世帯では色々と苦労がありますが、そのひとつが経済面。特に所得が低い傾向にある母子世帯では深刻なケースが目立ちます。厚生労働省『全国ひとり親世帯等調査』(平成28年実施)によると、ひとり親世帯のうち、父子世帯の平均年収は398万円、母子世帯は200万円。低所得の理由として、母子世帯の半数が非正規社員であることがあげられます。

 

最新の国勢調査によると、全国の母子世帯(母と子どもだけの世帯)は64万6,809世帯。そのうち離婚を理由にした母子世帯は52万1,263世帯です。

 

一般世帯における離婚による母子世帯の割合は、全国平均0.94%。都道府県別にみていくと、最多は「沖縄県」で1.77%。続く「宮崎県」は1.55%。「鹿児島県」「和歌山県」「佐賀県」と続きます。一方で割合が最小なのは「東京都」で0.56%。続くのが「神奈川県」で0.71%。「千葉県」「富山県」「埼玉県」と続きます。

 

【一般世帯における「離別による母子世帯の割合」上位10】

1位「沖縄県」1.77%

2位「宮崎県」1.55%

3位「鹿児島県」1.47%

4位「和歌山県」1.38%

5位「佐賀県」1.35%

6位「熊本県」1.32%

7位「青森県」1.31%

8位「長崎県」1.29%

9位「鳥取県」1.27%

10位「大分県」1.27%

 

出所:総務省『令和2年国勢調査』より算出

 

やはり離婚率の高い地域が離別による母子世帯の割合が高い傾向にはありますが、単身世帯の割合が高い都市圏はその割合が低くなるようです。

 

経済的に厳しいケースが多い母子世帯。離婚や未婚、死別など、母子のみになる理由はさまざまですが、その存在感は地域によって異なります。窮状を訴える声も届きにくくなる……そのようなことがないよう、きめ細やかなサポート体制が重要です。