どうやら年金だけでは老後、暮らすことはできないらしい……そんな事実が広く知られ、老後を見据えて資産形成に取り組む人が増えています。一方で年金だけで十分暮らしていける、そんな「勝ち組」といえる人たちも。みていきましょう。
年金だけで暮らせます!高笑いの「勝ち組夫婦」、現役時代の衝撃の給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

平均値で考える…「会社員×専業主婦」の高齢夫婦が手にできる年金額

毎月、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」。50歳未満ではこれまでの加入実績に基づいた年金額、50歳以降になると、現在と同じ給与水準で60歳まで働いたと仮定した見込み額が記載されるようになります。あくまでも現段階の実績であったり見込み額だったりと、正確な金額ではありませんが、おおよその年金額を知ることができ、老後を見据えるのに役に立つものでしょう。

 

国民年金の年間受給額は「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で計算され、2022年度は満額で77万7800円を手にすることができます。また厚生年金は、以下の式で算出されます。

 

■加入期間が2003年3月まで

平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数

■加入期間2003年4月以降

平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数

 

厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、公的年金被保険者数は6,756万人(2020年末速報値)。そのうち厚生年金の被保険者数(第1~4号、速報値)は4,513万人でした。

 

給付状況をみていくと、国民年金受給者数*は3,596万人で、受給額は平均月5万6,358円。厚生年金保険(第1号)受給者数は3,581万人で、受給額は月14万6,145円。

 

現在の年金制度では基本的に65歳から年金を受け取ることができますが、希望によって60~70歳の好きなタイミングで受給を開始できます。受給開始を60~64歳へ前倒しする「繰り上げ受給」では、受給額は1ヵ月早めるごとに0.5%ずつ減額、65歳以後から70歳まで遅らせる「繰り下げ受給」では1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ増えていきます。

 

繰り上げ受給を加味すると、65歳で年金を受け取る人の平均受給額はもう少し高くなります。厚生年金保険(第1号)、65歳以上の平均受給額は男性で17万0,391円、女性で10万9,205円です。会社員と専業主婦という組み合わせの夫婦であれば、国民年金を満額もらえると仮定し、月に平均23万5,207円がもらえる、ということになります。