親の介護は平均4~10年…自己負担額は「500万円以上」
統計からみる介護費用と介護期間
公益財団法人生命保険文化センターが行った調査によると、介護に要する費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造(手すりの取り付けなど)や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の平均が「74万円」、介護が始まってから毎月必要な施設利用料などが平均で「83,000円」となっている。
一方で、介護に要する期間については、4年~10年の例が31.5%と最も多く、平均で5年1ヵ月(61.1ヵ月)となっている※。
※ 出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」R3年度
期間の平均値を例として、トータルで生じる介護費用を計算してみると、74万円+83,000円×61.1月=581万1,300円となり、介護保険利用により自己負担が一部であっても、かなり大きな額の負担になることがわかる。
「介護保険制度」を利用すれば負担額が1~3割に
要支援または要介護の認定を受け、介護保険サービスを利用した場合の利用者負担割合は、本人の所得等に応じて介護サービスにかかった費用の1~3割となる。
ただし、介護保険施設を利用する場合には利用者負担のほかに居住費、食費、日常生活費の負担も必要になるので注意が必要だ。
また、居宅サービスを利用する場合は利用できるサービスの支給限度額が要介護度別に定められている(図表6参照)。
この支給限度額は単位で計算され、1単位10円を基本として地域やサービスの種類によって設定されており、この限度額を超えて利用したサービスは全額自己負担となる。