変形性膝関節症は「老化」の一種
変形性膝関節症の発症率が上がるのは、50代。このころに、なんとなく違和感や痛みを感じ始め、70代になってますます痛みが強くなる、というケースが少なくありません。いったい、変形性膝関節症はどのようにして発症するのでしょうか。発症のしくみをみてみましょう。
「変形性膝関節症」発症のしくみ
膝は、太ももの骨である「大腿骨」、すねの骨である「脛骨」、一般に“お皿”といわれる「膝蓋骨」の3つの骨が組み合わさって作られている関節です。
健康な膝関節では、これらの骨の表面はクッション性があり、やわらかな軟骨によって覆われています。そのため、3つの骨がぶつかってこすれあっても、関節にダメージはありません。
また、大腿骨と脛骨のあいだにある半月板も関節の衝撃を吸収する役割を果たしています。しかし、加齢が進むと軟骨や半月板がすり減ってしまい、直接、骨と骨がぶつかるようになってしまいます。そのため骨が損傷し、膝が変形したり、痛みが出たり、曲げ伸ばしができなくなったり、膝をとりまくさまざまな不都合が生じるのです。
つまり、変形性膝関節症とは「老化」の一種であり、誰もがリスクを抱えているといえます。
また、女性の場合は更年期が原因で、変形性膝関節症のリスクが高まることもわかっています。女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」は、軟骨の成分であるコラーゲンの生成に関与しているからです。
更年期になってエストロゲンの分泌量が減少するとコラーゲンが生成されにくくなり、関節の軟骨が不足し、痛みを引き起こす原因となります。
さらに、男性に比べて筋肉量が少ないため軟骨に負担がかかりやすく、すり減りが激しくなります。そのため、変形性膝関節症の患者で痛みがある人たちの男女比率をみてみると、男性1対女性3の割合で女性が多くなっています※。
※ https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/dl/s1210-5d.pdf
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