(※写真はイメージです/PIXTA)

2012年の開始以来、急激に増加する「放課後等デイサービス」。発達障がいをはじめ、日常や学校生活にサポートを必要とする子どものための福祉サービスです。さまざまな理由から利用者が増えている一方、それに甘んじて利益を求め、ずさんな経営をする事業者もいると、高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭先生はいいます。今回は、そんな「放課後等デイサービス」の実態と現状についてみていきましょう。

開始10年…急激に増加する「放課後等デイサービス」

少子高齢化の勢いが止まらず、出生数も減少の一途を辿る日本。しかし、女性の社会進出を背景に、保育園・病児保育施設は都心部を中心に増加しています。

 

そんななか、ここ10年で増えている「ある施設」をご存知でしょうか?

 

それが、身体・知的・精神等の障がいを持つお子さんや発達に特性のあるお子さんのための「放課後等デイサービス」です。

 

2012年制度開始時の利用者数は51,678人でしたが、2020年には20万人を超え、そのニーズの高さがうかがえます。

 

従来は未就学児・就学児が共に通っていましたが、2012年児童福祉法改正によって、未就学児のための「児童発達支援」と、6歳~18歳のための「放課後等デイサービス」に分かれました。

 

日本においても「発達障がい」という概念が浸透してくるにつれ、発達障がいと診断されるお子さんの割合・絶対数が増加し、それに伴い「放課後等デイサービス」を利用されるお子さんも増えているようです。

 

スタッフは、管理者と児童発達支援管理責任者(個別支援を策定する者)指導員のおおよそ5~10人で構成されます。児童発達支援管理責任者が作成する「個別支援計画」により、自立支援・日常生活の充実のための活動が実施されています。

 

実のところ利益率も10%程度と、他の福祉サービスと比べて群を抜いて安定しています。年間3,000~3,500万円の収益のうち利益は378万円程度と、福祉事業ゆえに税制面が優遇されています
※ 参照:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部「令和2年障害福祉サービス等経営実態調査結果」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2020/12/dl/h1215-2.pdf)

 

そのため、これをチャンスとばかりに、放課後等デイサービスを行う施設は急激に増加してきました。制度開始した2012年では2,540施設でしたが、2019年には13,568施設と5倍になり、最近でも街のいたるところで開設を目にします

※ 財政制度等審議会財政制度分科会(令和2年11月2日開催) 資料1「社会保障について②(介護、障害福祉等)(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20201102/01.pdf)

 

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