長寿の国ニッポンの陰で…実は縮んでいる「健康寿命」
「平均寿命」とは、生まれてから亡くなるまでの平均値です。したがって、なかには大病で早くに亡くなられた人や、認知症などで長く療養していた人も含みます。
一方「健康寿命」とは、文字通り「健康に過ごせる期間」のことです。これは、ただ疾患にまったくかからないということだけでなく、介護などの手を借りず自分で日常生活を送れる期間のことを指します。
したがって、認知症で介護が必要な状態で長生きした場合、平均寿命は伸びても健康寿命は伸びません。
平均寿命と健康寿命の差をみると、なんらかの治療や介護が必要な(健康ではない)状態がどのくらいあるかを知ることができます。
2010年の厚生労働省の調査によると、男女ともに2001年〜2010年までの平均寿命と健康寿命を比較したところ、平均寿命の伸びに比べて健康寿命の伸びが小さいことがわかっています。平均寿命は今後も伸びていくと予想されますが、健康寿命は伸びないということであれば、それだけ「不健康な期間=介護や医療の介入を必要とする期間」が増えていくことになります。
不健康な暮らしは「資産寿命」も短くさせる
また、人生100年時代の現代においては、「健康であること」が「資産寿命」を延ばすことにもつながります。健康は医療や介護にかかるお金の節約に直結しているからです。
老後は医療にお金がかかる可能性がぐっと高まります。厚生労働省によると、国民1人あたりの年間医療費は、65歳未満が「18万3,900円」であるのに対し、65歳以上は「72万7,300円」と約4倍に上昇します。
さらに、要介護状態になった場合、介護保険範囲外の費用で必要と考えられている月々の金額は平均「17万円」とされています。いまはまだ元気だからと、目の前の仕事や生活に追われ、睡眠時間や食生活が乱れて運動もしていない日々を送っていませんか?
いまは問題がなくても、不健康な生活は長期的にみれば健康寿命を短くしてしまい、生活に影響が出てくることがあります。
このように、健康寿命が短くなってしまうことは個人の生活の質を低下させるだけでなく、家族や周囲の人、社会への負担増にもつながります。したがって、単純な寿命だけではなく「健康に過ごせる期間=健康寿命」を延ばすことが必要なのです。
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