日常の中でうまくコミュニケーションがとれなかったり、1つのことに妙にこだわったり……。グレーゾーンという単語を聞いたことがあるけれど、「うちの子はそれなのでは?」と不安になったことはあるでしょうか。発達障害のグレーゾーンとは一体どのような状態のことなのか、どうとらえたらよいかなど、臨床心理士の佐瀬りささんに、グレーゾーンの子どもとの向き合い方について伺いました。
うちの子、発達障害のグレーゾーン⁉ 臨床心理士が特徴と子どもへの接し方を詳しく解説

困ったときの相談窓口は

 

困ったとき、ついネットやSNSを頼ってしまうこともあるでしょう。

 

でも、子どもによって対処法は違うものです。なるべく家庭内で抱え込まず、専門家に相談に行くことをお勧めします。最初は幼稚園(保育園)、あるいは学校の先生に相談をしてみることです。今はほぼ全校にスクールカウンセラーが配置されていますから、そうした人に話を聞いてみるとよいでしょう。

 

しかし、そこで合わないと感じたり、別の意見を聞いてみたい場合には、自治体の学校カウンセラーや民間の機関に話を聞くという方法もあります。また、同じ悩みを持つ保護者の方が見つかれば、参考になることも多いはずです。

子どもの安全基地になるために

 

成長の過程はそれぞれに違います。ですから「発達は誰だってグレー」なのです。大人も含め、人は誰でもそうですし、この子のグレーはどんな色だろう、という目で見ることです。

 

できることなら、お父さん、お母さんは子どもにとって「安全基地」であってほしいのです。そばにいれば安心できて、学校で嫌なことがあってもなんとかなる、子どもがそんなふうに思える場所です。

 

そのためには親も安全基地を持つことです。困ったら話を聞いてもらえる、わかってもらえると思えるような居場所をぜひ見つけてください。たとえ子どもがグレーゾーンといわれても、それも成長の一段階です。まずはありのままを受け止めて、1人ひとりの特性に合わせて「じゃあこうしよう」と柔軟に考えていきましょう。