部下や同僚がうつ病っぽい…受診を促すには?メンタル不調者への対応方法【メンタル産業医が解説】

3Gシリーズ、その2:メンタル不調者への「通院支援(Guide)」

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部下や同僚がうつ病っぽい…受診を促すには?メンタル不調者への対応方法【メンタル産業医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

夏バテ、燃え尽き、冬季うつ…。夏場から冬にかけては、負の連鎖が起こりやすい時期です。前回の記事『メンタル不調でダウンする前に気づいて…頑張りすぎな人に現れる「危険信号」【メンタル産業医が解説】』では、メンタル不調がもたらす症状を紹介しました。それらの症状を示している同僚や部下がいた場合、どのように対応すればよいのでしょうか? “メンタル産業医学”の創設者として知られる櫻澤博文医師(合同会社パラゴン代表社員)が、「メンタル不調者への通院支援」について解説します。

毎年9月10日~9月16日は「自殺予防週間」

9月10日の「世界自殺予防デー」からの一週間は、2006年10月28日に施行された「自殺対策基本法」と2007年6月に閣議で決定された「自殺総合対策大綱」にて、「自殺予防週間」と定められています。そこでは自殺に関する誤解や偏見をなくすために、行政と市民とは連携して、啓発活動を強力に推進することとなっています。

 

また「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向け、相談事業及び啓発活動を実施することになっています。コロナ禍は3年間も続いていますが、自死はコロナ死より5.8倍も多いのです(詳細は【前回記事】をご覧ください)。自殺防止に向けて、一人ひとりの市民も、自殺対策に直結する支援が求められています。

メンタル不調を抱える人にできる「具体的な支援」

前回紹介した“頑張りすぎな人に現れる「危険信号」”がある方は、相当な苦悩だと思い至りませんでしょうか。本人は外出することさえ辛く、病院に行くことさえおっくうに感じているものです。しかも困ったことに、TVで報じられているようにコロナ禍で医療崩壊にある中では、通院させようと電話をしてもすぐに予約が取れるところばかりではありません。

 

予約なしに通院した場合でも、その日のうちにすぐ診てくれないクリニックさえあります。診てくれる場合でも何時間も待たされるのは当たり前です。何しろコロナ前でさえ、抑うつ性障がいなどの「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」の総患者数は127万人にのぼり、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」の総患者数も79万人でした(厚生労働省『平成29年 患者調査』より)。対して、精神科医の数は平成30年度12月31日時点で約1万6000人、令和2年12月31日時点でも約1万6500人しかいません。しかも精神科医が対象としている病気は、認知症、依存症、自死未遂者…と多岐にわたります。現実の大変さはおわかりになりましょう。

 

従って、前回紹介した「把握可能な変調」が出た段階で、読者の皆様は把握可能な医療機関につなげる必要があります。

 

また、就労されている方でしたら、お勤めの会社に産業医がいるか確認するという方法もあります。産業医は医師ですから、紹介可能な医療機関を知っているもの。お勤め先の産業医に、どうしたらよいのか対応方法をご相談されてみてください。

 

しかしながら、産業医は毎日勤務しているわけではありません。中には、以下にあるように、産業医ではなく保健師に産業医の業務を代替するようなブラック企業さえあります。

 

※ご参考 『「名ばかり産業医」③|過労死訴訟から学ぶ規範鼎立』https://pro-sangyoui.com/18745

 

その場合には、同僚や部下に対して以下の対応をとると大丈夫です。

 

会社であれば緊急連絡先や身元保証人を確認しているものです。そして、その緊急連絡先や身元保証人はご家族や友人といった親しい方が記載されているものです。その方々に連絡してみてください(9月1日の防災の日も近いので、この際、これら緊急連絡先や身元保証人が存在しているのかの確認もおすすめです)。

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。