マンションの高層化&大規模化が続く東京都港区…住民から聞こえる「タワマン」への不満
次々と高層化&大規模化する東京都港区のマンション。都心には規模の小さなマンションが所狭しと林立していますが、戸数が極端に少ないマンションの場合、修繕に充てる資金が十分に貯まらず、将来的に立ち行かなくなる可能性があります。そこで敷地を統合し、高層かつ大規模なマンションに建て替えることで、将来の修繕に対して予算を確保していくという再開発が、都心では多く行われているです。
しかし、港区が2020~2021年に区内のマンションの管理組合・入居者に行った『港区分譲マンション実態調査』をみてみると、住民からは「もうタワーマンションはいらない」といった意見が目立ちます。実際の声をみていきましょう。
人口減のなか、新築マンションを建てすぎのように思う。何かの跡地が全てマンションになっていくのは、街として、バランスを欠いているように思う。(芝在住)
赤坂6丁目にマンションばかり次から次に建ち、窓から空が見えなくなり、建物しか見えない環境になっています。(中略)特に高層マンションに困っています。(赤坂在住)
高層マンションが周辺に乱立し、陽当たり、風通しが悪くなった。(赤坂在住)
乱立する高層ビルで海風が遮断され東京は盆地かされております!(麻布在住)
高い建物が乱立して立ちすぎている気がします。(麻布在住)
もうこれ以上の特にタワーマンション等巨大マンション建築は止めてもらいたい(高輪在住)
街の雰囲気が変化するのではないか、少し心配しています。個人的にはタワーマンションはもういらないと思います。(高輪在住)
出所:港区『港区分譲マンション実態調査』より抜粋
もちろんこれらの意見がすべてではありません。前述のように高層化&大規模化によるメリットもあるので、一概に良い・悪いの判断はできないでしょう。ただタワーマンションは地域に与えるインパクトも大きいだけに、既存住民との関係構築がひとつの課題。特に災害時は、地域とのネットワークが重要です。30年以内に巨大地震が起こる確率70%といわれるなか、タワーマンション単体で考えるのでなく、さらに面で考える開発が望まれています。