給与が平均よりも多い、いわゆる勝ち組の会社員でも、現役中は住宅ローンや教育費など出費がかさみ、将来のための貯蓄は進まないもの。「退職金」という一発逆転を狙っている人も多いでしょう。しかしそこには思わぬ落とし穴が……。みていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
【退職金額の推移】
1997年:2,871万円
2003年:2,499万円
2008年:2,323万円
2013年:1,941万円
2018年:1,788万円
出所:厚生労働省『就労条件総合調査』『賃金労働時間制度等総合調査』より
元々、大企業に限らず、退職金は減額傾向にあることは明らかでしたが、このことを把握していない会社員は多く、日本FP協会が行った調査では過半数が「退職金の金額は把握していない(あまり把握していない、全く把握していないの合計)」と回答しています。退職金の実績を知ってから情報のアップグレードはされず、いざ退職金を受け取るときになって「なんでこんなに退職金が少ないんだ!」となる大企業勤務のサラリーマンは実に多い、というわけです。
婚期や第1子の誕生など、ライフステージの年齢が上がる傾向にあるいま、定年までに老後資金を貯めることができず、退職金をあてにする人が増えています。大企業勤務であればなおのこと、「退職金があるから、まあいいか」と余裕をもって構えている人もいるでしょう。
退職金はあくまでも頑張ってきた自分へのご褒美と捉え、退職金以外できちんと老後を見据えることが重要です。