不整脈は「電流」で根絶可能…「メスを使わない」最新の心臓手術【専門医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

不整脈には多くの種類があり、なかには放置すると命に危険がおよぶケースも……その場合、早急に的確な治療が必要になります。さまざまな治療法のなかで、不整脈の根治が期待できるのが「カテーテルアブレーション」だと、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。いったい、どのようにして治療を行うのでしょうか、みていきます。

手術は「全身麻酔」か「局所麻酔」

カテーテルアブレーションの手術をする際、麻酔は「全身麻酔」と「局所麻酔」のどちらも使われています。しかし、筆者のクリニックでは、ほとんど「全身麻酔」で手術を行っています。

 

なぜ筆者が全身麻酔で行うかというと、全身麻酔を使用し、落ち着かせた状態でアブレーションをしたほうが、治療成績がいいからです。

 

[図表4]心房細動回避率(2011年)


これは、2011年に発表されたデータです。縦軸は成功率、横軸は経過日数です。

 

鎮静麻酔(=ただ単に眠らせただけ)をかけて治療を行った場合と、全身麻酔をかけて治療を行った場合を比較すると、全身麻酔を行ったほうが、明らかに治療成績がいいことがわかるでしょう。

 

なぜかというと、心臓は呼吸と共に細かな上下運動を繰り返しているから。焼灼するポイントはミリ単位であり、とても繊細な技量が求められる治療です。しかし、呼吸とともに心臓が上下運動を繰り返すと、焼灼場所がずれてしまう可能性もあります。

 

そのため、全身麻酔をかけ、呼吸器を使用して完全に呼吸をコントロールすれば、心臓の動きが極めて小さくなるため成功率が上がり、また安全性も高くなります。

 

しかし、全国の医療機関のうち、全身麻酔でカテーテルアブレーションを行っているところは10%に満たないのが現状です。その背景には、設備や人員の問題、医師の考え方の違いなどさまざまあります。

 

また、一概に「全身麻酔がいい」とはいえない場合もあります。たとえば心室性期外収縮のケースです。

 

この不整脈の患者さんのなかには、夜間就寝時に不整脈が消えてしまっているようなことがあります。そういう患者さんでは、全身麻酔を実施すると不整脈がなくなるため、局所麻酔のほうが成功率は高くなります。

 

このように、必ずしも「全身麻酔がいい」「局所麻酔ではダメ」というわけではなく、症例や状況をみながら決定する柔軟性が必要です。

 

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    東京ハートリズムクリニック 院長

    医学博士。1984年愛媛大学医学部入学。1991年愛媛大学医学部第2内科入局、1992年愛媛県立中央病院勤務、愛媛大学医学部附属病院、愛媛県立新居浜病院、国立循環器病研究センター研修、2004年横須賀共済病院循環器センター勤務。2016年東京ハートリズムクリニック院長に就任。
    不整脈治療を専門とし、カテーテルアブレーション治療では、世界トップクラスの実績を持つ。同クリニックでの2021年12月末現在の治療実績は2,000件以上。

    東京ハートリズムクリニック
    書籍 発作ゼロ・再発ゼロをめざす「心房細動」治療 幻冬舎 (2016年8月)

    著者紹介

    連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

    ※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

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