グローバルで考えた場合、10年、20年、30年も世界全体が不況に陥っているということはあり得ません。なぜなら、各国の中央銀行が不況から脱出できるように景気対策を実施するからです。なぜ投資は中長期で考えるべきなのでしょうか。ファイナンシャル・プランナーの渡邊一慶氏が著書『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)で解説します。
なぜ投資は「短期」より「中長期」で考えると成功確率が上がるか?

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短期の値動きは誰にもわからない

■投資の成功確率は「中長期」で考えると上がる

 

渡邊 短期の値動きは誰にもわかりません。世界中の投資家が、いろんな思惑で金融商品を買ったり売ったりしています。百戦錬磨のプロでも難しい世界なんです。

 

――「短期では」ということは、中長期で考えると、投資で成功する確率が上がるということですか?

 

渡邊 鋭いですね! じつはその通りで、中長期で考えると、投資の成功確率はグッと上がります。経済は、好景気と不景気を繰り返しながら、緩やかに右肩上がりに成長すると言いましたね。グローバルで物事を考えると、世界の人口は増えていますし、次々に新しいビジネスも生まれています。そのため、投資の期待値がプラスになっているのです。

 

――しかし、何年かに一度は、大きな不況が訪れていますよね? バブル崩壊やリーマンショック、コロナウイルス……。それでも、中長期で考えれば大丈夫なんでしょうか?

 

渡邊 はい、大丈夫です! グローバルで考えた場合、10年、20年、30年も世界全体が不況に陥っているということはあり得ません。なぜなら、各国の中央銀行が不況から脱出できるように景気対策を実施するからです。

 

――中央銀行の景気対策とは、具体的にどういうものでしょうか?

 

渡邊 中央銀行の最大のミッションは、物価の安定です。国民が安心して生活できるように、景気がいいときには金利を引き上げて経済を抑制し、景気が悪いときには金利を引き下げて経済を刺激します。

 

――金利の上げ下げによって、景気をコントロールするんですね。でも、日本のようにマイナス金利になっていて、これ以上は金利を引き下げられないときはどうするんですか?

 

渡邊 金利の引き下げの次は、国債を発行して大量のお金をばら撒きます。金利が低い状態で、大量にばら撒かれたお金はどこに向かうと思いますか?

 

――投資ですかね。

 

渡邊 その通りです。少しでもリターンを得ようと、株式や不動産などを購入します。経済は「不況→金融緩和→株価上昇→好況→金融引き締め→株価下落」のサイクルを繰り返すのです。このような景気対策を、日本なら日本銀行、スイスならスイス国立銀行、アメリカならFRB(連邦準備理事会)、ヨーロッパならECB(欧州中央銀行)というように、世界各国の中央銀行がおこないます。

 

――なるほど。だから中長期で考えれば、損をしないということですね。

 

渡邊 そうです。中央銀行には、国民の安心した生活を守る義務がありますからね。

 

――でも、僕の父が買った株が、10年経っても損をしていると嘆いていましたよ。どうして父の買った株は、長期で保有しているにもかかわらず損をし続けているんですか?

 

渡邊 残念ながら、中央銀行も個人の損失を補填する義務まではありません。国民全体の生活は守る必要がありますが。個別銘柄に集中投資をしていると、長期保有しているにもかかわらず、ずっと損失を抱えているということは少なくないのです。産業には、成長産業と衰退産業があります。丑久保さんなら、業績が伸びている産業と業績が落ち込んでいる産業、どちらに投資をしたいですか?

 

――それはもちろん、業績が伸びている産業です。

 

渡邊 そうですね。すると、衰退産業には、残念ながら投資資金が入ってきません。だから、物事をグローバルな視点で考えて、分散投資をすることが大切なのです。

 

――分散投資の大切さがよくわかりました。

 

渡邊 一慶
ファイナンシャル・プランナー

 

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