投資で成功するためには「7割守って3割攻める」ことです。守りとは安定、攻めとは上昇。つまり、リスクの高い株式より、債券や株の配当金、投資信託の分配金など安定した利回りが確保できる「守りの投資」を投資額全体の7割にします。ファイナンシャル・プランナーの渡邊一慶氏が著書『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)で解説します。
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投資初心者は守りのポートフォリオを

――Aさんは毎年3%の配当を受け取っているので、1年間の配当金は1万円×3%=300円です。それを10年間受け取っているので、配当金として3000円の利益があります。ただ、1万円で買った株は5000円に値下がりしたわけだから、株価の損失は5000円。Aさんの損失額は、3000円‒5000円で2000円ですね。

 

Bさんは配当金を一切受け取っていないので、10年間で受け取った配当金はゼロ。1万円で買った株は途中で売りそびれてしまい、結果的に5000円に値下がりしたわけだから、株価の損失は5000円。Bさんの損失額は5000円ですね。

 

渡邊 正解です。同じ1万円で買った株が5000円に値下がりした場合でも、配当を受け取っているか受け取っていないかで、損失額が3000円も違ってきました。

 

――確実に配当を受け取っている人のほうが、損失額が少ないんですね。

 

渡邊 そうです。今回のケースでいうと、Aさんはあと2000円株価が上がれば損失を取り戻せますが、Bさんはあと5000円株価が上がらなければ損失を取り戻せません。仮にまったく同じ条件で投資期間を20年にした場合、Aさんは配当金で6000円受け取り、株価の損失が5000円なので、差し引き1000円の利益が出ます。一方、Bさんは20年間で受け取り配当はゼロなので、損失額は変わらず5000円です。

 

――しかし……そもそもBさんは売りそびれなければ、つまり1万5000円のときに売っていれば、損はしなかったですよね?

 

渡邊 もちろん、その通りです。ただ、それは結果論でしかありません。詳しくは後ほどお話ししますが、株は「売るときがいちばん難しい」のです。Bさんの立場で考えてみてください。「もしかしたらもっと値上がりするかも」と思いませんか? そうこうしているうちに値下がりしたら「せめて前と同じ株価になるまで持っておこう」ともなりますよね?

 

――たしかに。僕がBさんだったら、いつ売ろうか迷いに迷って、結局損しそう……。

 

渡邊 これは何も、Bさんや丑久保さんに限った話ではありません。じつは投資のプロでも難しい判断なんです。売りどきが難しいからこそ、投資期間は長めに考えて、安定した配当をポートフォリオに組み入れることが大切ということです。配当を受け取りながら株価の戻りを待つことができますからね。

 

――投資期間が長ければ長いほど、安定した配当は大切だということですね。

 

渡邊 はい。受け取った配当が、消えてなくなることはありませんからね。コツコツ確実に受け取った配当が、後々ジワジワ効いてくるんです。資産を安全に保全するためには、安定した配当を中心に守りを固めながら、あわよくば値上がりにも期待するのです!

 

――配当と値上がりのバランスを考えてポートフォリオを作成すれば、大きな損失は防げそうですね。

 

渡邊 投資で絶対に避けなければいけないのは、全財産を失ってしまうことです。だからこそ「7割守り、3割攻める」のバランスが最適なのです。値上がりを目的とした攻めの商品は、当然ですがリスクが高い商品です。

 

少ない資金でも振れ幅が大きいので、うまくいけばしっかり儲けることができます。投資初心者は、まず守りに重点を置いたポートフォリオの作成を心がけてみてください。

 

渡邊 一慶
ファイナンシャル・プランナー

 

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