2022年度の年金支給が6月15日にスタート。支給額は前年比0.4%減となりました。このまま減額が続き「自分たちが年金を受け取るようになったとき、どうなるのだろう……」と心配がつきません。日本の将来と年金額についてみていきましょう。
夫婦で年金22万円だが…大幅減額で元会社員が悶絶する「25年後の年金額」 (写真はイメージです/PIXTA)

2019年→2047年で、年金は実質2割減

前述のとおり、所得代替率5割をキープすると、「100年後も公的年金制度を持続できる」とされています。ポイントはあくまでも制度が持続できるだけであり、年金で安心して暮らせることを保証したものではないことを忘れてはなりません。

 

厚生労働省では、少なくとも5年ごとに、国民年金及び厚生年金の財政の現況及び見通しの作成(財政検証)を行っています。最新となるのは『2019(令和元)年財政検証結果レポート「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」』。2019年、モデル夫婦の年金受取額は、月額22万円。所得代替率は62%でした。

 

これが、いまから四半世紀後の2047年、モデル夫婦が受け取れる年金額は24万円。所得代替率は51%になるとしています。25年で年金の水準は62%から51%へと減少、つまりおよそ2割、年金が減るということになります。

 

なぜ、こんなにも年金が下がるのでしょうか。これは年金制度の改正で、現役世代の減少に合わせて、年金額も徐々に目減りさせる仕組みになったからです。以前は、年金の財源が足りなくなると保険料を上げる仕組みでした。しかし急速に進む高齢化の前に、この仕組みでは現役世代の負担が大きくなりすぎるため、年金を徐々に目減りさせるよう改正を行った、というわけです。

 

――こんなに年金が減るなんて、たまったものではない!

 

多くの人が憤りを覚えるでしょう。ただ公的年金は社会的扶養を基本としたもの。もっともっと大変な人がいるのだから、そうでもない人は将来に備えるしかない、というのが現行の制度なのです。

 

老後、「年金を軸に足りない分は貯蓄で補う」ということを前提に考えている人が大半ですが、「貯蓄で足りない分は年金で補う」くらいになるかもしれません。そのため、早い段階から資産形成に取り組むのが必須となっています。