日本の人口のボリュームゾーンは2つ。ひとつが団塊の世代、もうひとつが、その子どもたちである団塊ジュニアです。この世代は「今後の日本の行く末を左右する」とまでいわれています。みていきましょう。
手取り20万円…「非正規・団塊ジュニア」の終焉で、日本人が直面する苛酷な現実 (写真はイメージです/PIXTA)

出鼻をくじかれたままの団塊ジュニア…日本を巻き込む悲劇の元凶に

就職氷河期では、希望通りの就職が叶わなかった人が多くいました。ミスマッチで働き続けることが困難だったケースも多く、前出のとおり「初職の勤続年数」が短いのも、その表れでしょう。

 

「初職の満足度」は「就職氷河期コア世代より上の世代」で高い傾向にあり、男女ともに6割が「雇用形態」に満足しています。そして当然のように「コア世代」では「雇用形態」についての満足度が他の世代よりも落ち込んでいるのです(図表5)。

 

出所:内閣府男女共同参画局『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査』
[図表5]「初職の満足度」(左:女性 右:男性) 出所:内閣府男女共同参画局『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査』

 

社会人スタートの出鼻をくじかれた団塊ジュニア。その後、すべての人が悲運だったというわけではなく、厳しい時代ながらも成功を収めている人はもちろんいます。しかしスタートでのつまずきが、いまだに尾を引いている人たちも多くいます。問題となっているのは、新卒からずっと非正規社員の人たちです。

 

男性正社員の給与は平均38万円ほど、手取りにすると28万円ほどです。推定年収は20代前半で340万円。年齢と共に上昇し、50代後半に694万円とピークに達します。

 

一方男性非正規社員の給与は平均26万円ほど、手取りで20万円ほど。20代前半で年収259万円。60歳を迎えるまでのピークは50代前半で344万円。40年あまりの社会人人生の中で100万円しか年収があがっていないのです。

 

【男性「正社員」と「非正規社員」の推定年収の推移】

20~24歳:3,400,800円/2,590,500円

25~29歳:4,284,900円/2,992,500円

30~34歳:4,988,200円/3,057,600円

35~39歳:5,602,500円/3,139,900円

40~44歳:6,060,200円/3,225,300円

45~49歳:6,428,300円/3,320,600円

50~54歳:6,926,900円/3,446,700円

55~59歳:6,949,000円/3,385,400円

60~64歳:5,299,500円/4,101,600円

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出

※数値左:正社員、右:非正規社員

 

低収入を脱することのできない団塊ジュニア。さらに問題は、彼らが高齢者となる20年ほどあと。当然、「ずっと非正規」だった人は年金受給額も低額。その分、貯蓄ができていればいいのですが、そのようなことは期待できません。生活保護などの社会保障に頼らないといけなくなるでしょう。

 

先ほどの人口ピラミッドをもう一度見てみてください。団塊ジュニア以降は先細りとなっています。将来の日本は現役世代がいまよりもぐっと少なく、「逆ピラミッド」の人口構造になるのです。

 

ただでさえ、現役世代1人で支える高齢者は増加傾向にあるのに、さらに貧困で生活保護に頼らざるを得ない高齢者が、現役世代にさらなる負担をかけるようになります。このような最悪の事態を避けるためにも、崩壊したままの団塊ジュニアをどうにかしないといけないのです。