結婚のための経済力に応えられない…非正規社員たちの現実
「結婚はお金ではない」とはいいますが、生活をしなければならないので、なんだかんだいって経済力。そこを重視する女性と、応えられない男性……そんな関係性がみえていきます。
同調査の独身男性、20代では15%、30代では20%が、非正規社員でした。
【独身男性現職の就業状況】
・正規雇用:46.0%/52.2%
・非正規雇用:15.2%/19.8%
・自営業・その他:4.4%/7.8%
・働いていない(学生含む):34.4%/20.3%
出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、男性・非正規社員の平均月収は26万1,600円。手取りにすると20万円ほどです。賞与も含めた年収は342万円ほどになります。
結婚適齢期といわれる年代についてみていくと、20代後半で月収は24万1,400円、30代前半で24万6,000円、30代後半で25万1,300円。驚くほど、給与は増えていません。それが正社員だとどうでしょう。20代後半で29万5,000円、30代前半で33万8,000円、30代後半で37万6,400円。これで経済的に十分かどうかは意見が分かれるところではありますが、年齢と共に給与は増え、結婚への機運は高まります。
また非正規社員とはいっても給与はピンキリ。そこで給与のちょうど真ん中である中央値をみていくと、男性・非正規社員で21万2,300円、20代後半では19万8,000円、30代前半で20万1,300円、30代後半で20万7,300円。月収20万円ほどだと、手取りにすると15万〜16万円程度。これで結婚を考えるのは難しいといわざるをえません。
積極的に非正規社員になったわけではなく、正規社員の仕事がないことを理由にしている人が、男性で112万人いるといわれています。もちろん正社員であれば結婚を考えられる給与が手に入るかといえば、そうは言い切れません。ただ不本意で非正規社員を続けるしかない人たちに、手を差しのべる必要はありそうです。