20代独身男性「4割がデート経験なし」などと報じられ、最近の若者の恋愛観について話題になっています。もう詳しくみていくと、そもそも「結婚なんて非現実的」という人たちの浮き彫りに。みていきましょう。
手取り20万円…「結婚も子供も考えられない」非正規社員、あまりに安月給の残酷 (写真はイメージです/PIXTA)

男女の間に広がる、結婚への意識の差

――20代独身男性「4割がデート経験なし」

 

大きく報じられた、こんな見出し。内閣府の調査の一部分を切り取ったもので、きちんと検証する必要ありそうですが、いまの人たちの結婚と現実には、少々差があることは確かなようです。

 

内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』をみていきましょう。これは全国男女2万人に対して行った調査です。

 

それによると、結婚経験のない独身者の「結婚意思あり」割合は20代女性で65%、男性で54%。年齢が上がるにつれ、結婚の意識は薄れていく傾向にあります。また子どものいない独身者の「理想の子どもの数」は、20代で「0人」と「2人」で大きく分かれる結果になりました(図表1、図表2)

 

出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
[図表1]結婚経験のない独身者の「結婚意思あり」割合 出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
[図表2]結婚経験のない独身者の「理想の子どもの数」 出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より

 

さらに結婚への理想について、みていきましょう。

 

最初に結婚する年齢は、女性の理想は26.1歳で男性の理想は28.0歳。では実際はどうだったのかというと、女性は26.6歳で男性は28.9歳。また第1子誕生の年齢は、女性の理想は27.8歳、男性は29.9歳、現実は女性28.0歳、男性は30.7歳。理想と現実には、0.5〜1歳程度差があります。

 

厚生労働省『令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況』によると、2020年の平均初婚年齢は、夫が31.0歳、妻が29.4歳で、第1子誕生時の平均年齢は父親が32.8歳、母親30.7歳。異なる調査なのでなんともいえませんが、理想と現実の差はもう少しあるかもしれません。

 

もとの調査に戻り結果をみていきます。では「結婚したい理由」はなんなのでしょうか。20~39歳男女で最も高いのは「好きな人と一緒に 生活をしたい」で5割前後。女性は「家族を持ちたい」30.8%、「精神的な安らぎの場を持ちたい」 27.5%、「子供が欲しい」26.9%と続きます。男性も同様の項目が高い傾向にありますが、「家族を持ちたい」「子供が欲しい」「精神的な安らぎの場を持ちたい」については、女性の方が高い傾向にありました。また「経済的な安定を得たい」が女性の方が高い傾向にあるのも特徴です(図表3)

 

出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
[図表3]独身者に聞く「結婚したい理由」 出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より

 

一方、「結婚したくない理由」はなんなのでしょうか。女性の場合「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」が最も多く37.5%。「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」 35.7%、「結婚という形式に拘る必要性を感じないから」30.8%。と続きます(図表4)

 

出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
[図表4]独身女性に聞く「結婚したくない理由」 出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より

 

男性の場合、「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」が最も高く24.7%。「結婚するほど好きな人に巡り合って いないから」22.6%、「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」22.2%。が続きます(図表5)

 

出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より
[図表5]独身男性に聞く「結婚したくない理由」 出所:内閣府『令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書』より