日本では一般的な長さの基準はSI(国際単位系)のメートル(m)です。他にもミリメートル(㎜)やセンチメートル(㎝)などさまざまな単位がありますが、なかには普段使用しない変わった単位も使用されています。
変わった単位の1つが、自転車やテレビのサイズに使用されている「インチ(㏌)」です。
本記事では、インチとセンチの計算方法とテレビなどのサイズの早見表や、2つの単位の違いについても解説をしていきます。
1. インチ→センチの計算方法と早見表
一般的にインチは『㏌』で表記され、1インチは2.54センチメートルです。
下記にインチ→センチの計算方法を表記しますので、参考にしてください。
■インチをセンチに変換(換算)する方
「㏌×2.54」
…インチに2.54を掛ける
■センチをインチに変換する(換算)する方法
「㎝/2.54」
…センチを2.54で割る
またテレビなどのインチの早見表で表記されている長さは、ディスプレイの対角線の長さを表しています。
1.1.「1インチ=2.54センチ」インチに2.54をかければセンチに計算できる
インチからセンチに変換して計算する方法は簡単で、前述の計算方法にあてはめてインチ数に2.54を掛けた数値がセンチメートルになります。
たとえば、10インチであれば10×2.54=25.4センチ、20インチであれば20×2.54=50.8センチというふうに、単純な掛け算で算出可能です。
一度計算方法を理解すれば簡単に値を算出でき、さまざまな分野で活用もできます。
1.2. テレビのサイズの計算方法:テレビのインチは対角線のサイズ
前述でも触れたように、テレビのインチはディスプレイの対角線の長さの値です。計算式を活用すれば、10インチのテレビの場合ディスプレイの対角線の長さが25.4センチ、20インチでは50.8センチということになります。
今まではテレビのインチ数を聞いてもサイズがすぐにわからなかった方も、この計算法を利用すればすぐにサイズが把握できて便利です。
テレビの購入などを検討している方は、是非一度この計算方法を利用してみてはいかがでしょうか。
1.3. テレビのサイズの早見表:よくあるサイズ
最近のテレビ画面は、以前のサイズと比較すると横長タイプのものが多いです。昔のブラウン管テレビでは縦横比が4:3でしたが、現在は16:9のテレビが多く販売されています。
ここでは、現在よくあるテレビのアスペクト比について詳しく解説をしていきます。
1.3.1.「アスペクト比16:9」の場合の早見表
最近主流の50型のテレビでは、対角線の値が50インチで127センチになり、高さ61センチ、幅が110.7センチと計算できます。サイズの早見表や、計算方法を活用すればすぐに正確なサイズを把握できて便利です。
しかし、インチからセンチへの計算のみではテレビの縦幅・横幅などのサイズが計測できませんが、「アスペクト比」を活用すれば正確な値を計測できます。アスペクト比16:9の解像度は映像・画像の製作に便利で、多くの画像・動画編集者の方が利用しています。
下記に、アスペクト比16:9の場合の簡単な早見表を掲載しますので、参考にしてください。
横 |
縦 |
16 |
9 |
32 |
18 |
64 |
36 |
96 |
54 |
128 |
72 |
160 |
90 |
192 |
108 |
224 |
126 |
256 |
144 |
288 |
162 |
1.3.2.「アスペクト比4:3」の場合の早見表
初期のテレビやコンピューターに使用されていた、元の標準アスペクト比が「4:3」です。液晶技術の進化に伴いPCのディスプレイなどのデバイス・映画スクリーンなどは16:9のワイドスクリーンに変化していきました。
しかし、4:3は実用面積が広く、他の長方形比例のフォーマットよりも使用可能領域が大きいのがメリットで、多くの動画編集者などが利用しています。また、通常のテレビにも対応しており、現在一般的なHDTVプログラムは16:9の解像度に偏っています。
一方で、通常のテレビ・ビデオ放送などは現在も4:3を使用しており、そのニーズは未だに高いです。下記に、アスペクト比4:3の場合の簡単な早見表を掲載しますので、参考にしてください。
横 |
縦 |
320 |
240 |
328 |
246 |
336 |
252 |
344 |
258 |
352 |
264 |
1.4. ジーンズサイズの計算方法:2.54をかければOK
ちなみにジーンズサイズもインチで計測され、ジーンズの場合も1インチが2.54センチメートルで設定されています。したがって、センチ計算する際は通常の計算通り、インチ数に2.54を掛ければ正確なセンチメートルの計測が可能です。
しかし男性と女性では体格・体形が異なりますので、男性もののジーンズは女性ものよりも約10センチメートル程度大きく設定しています。
通常ジーンズのサイズは「インチ」での表記がほとんどですので、計算方法がわかれば、自分に適したサイズのジーンズを選ぶことも可能です。
1.5. ジーンズのサイズ早見表:男性・女性のよくあるサイズ
ジーンズのサイズ表記はインチでされており、頻繁に使用されているサイズなども限定されています。自分が使用しているサイズをすぐに理解できれば、自分に合ったジーンズをすぐに選ぶことができるので便利です。
下記に、男性・女性のよくあるサイズの早見表を表記しますので、参考にしてください。
■メンズ(男性用)
27インチ |
68㎝(S) |
28インチ |
71㎝(S) |
29インチ |
73㎝(S) |
30インチ |
76㎝(M) |
31インチ |
79㎝(M) |
32インチ |
81㎝(M) |
33インチ |
83㎝(M) |
34インチ |
86㎝(L) |
36インチ |
91㎝(L) |
38インチ |
96㎝(XL) |
40インチ |
101㎝(XL) |
■レディース(女性用)
26インチ |
56㎝(SS) |
27インチ |
58㎝(SS) |
28インチ |
61㎝(S) |
29インチ |
63㎝(M) |
30インチ |
66㎝(L) |
31インチ |
69㎝(LL) |
32インチ |
71㎝(3L) |
33インチ |
73㎝(3L) |
34インチ |
76㎝(4L) |
1.6. 靴のサイズの計算方法:2.54をかければOK
靴サイズの計算方法も、アメリカをはじめとする諸外国では「インチ」を基準の単位として計測しています。日本で製造・販売されている靴はセンチでサイズが表記されていますが、海外製のものはインチでの表記が一般的です。
海外では、靴のサイズも1インチは2.54㎝として計測します。したがって、海外製の靴を選ぶ際には上記の計算方法を活用し、自分の足のサイズに適した靴を選んでいきましょう。計算方法としては、自分の足のサイズを2.54で割った数値が適正なインチ数といえます。
1.7. 靴のサイズの早見表:男性と女性のよくあるサイズ
日本では靴のサイズをセンチで表記しており、購入時は自分の足に合わせた大きさの靴を選択・購入します。一方、海外では靴の大きさをセンチ・インチで表記するなど、国によって大きく異なります。
下記に、男性と女性のよくあるサイズの靴の早見表を表記しておきますので、参考にしてください。
■男性用
日本サイズ24.5 |
アメリカ6.5 |
イギリス6 |
ヨーロッパ39 |
日本サイズ25.0 |
アメリカ7 |
イギリス6.5 |
ヨーロッパ40 |
日本サイズ25.5 |
アメリカ7.5 |
イギリス7 |
ヨーロッパ41 |
日本サイズ26.0 |
アメリカ8 |
イギリス7.5 |
ヨーロッパ42 |
日本サイズ26.5 |
アメリカ8.5 |
イギリス8 |
ー |
■女性用
日本サイズ21.5 |
アメリカ4.5 |
イギリス3 |
ヨーロッパ33 |
日本サイズ22.0 |
アメリカ5 |
イギリス3.5 |
ヨーロッパ34 |
日本サイズ22.5 |
アメリカ5.5 |
イギリス4 |
ヨーロッパ35 |
日本サイズ23.0 |
アメリカ6 |
イギリス4.5 |
ヨーロッパ36 |
日本サイズ23.5 |
アメリカ6.5 |
イギリス5 |
ヨーロッパ37 |
日本サイズ24.0 |
アメリカ7 |
イギリス5.5 |
ヨーロッパ38 |
1.8. 自転車のタイヤの計算方法:2.54をかければOK
一般的な自転車のサイズは「インチ」で表記され、「インチ数」に2.54をかければタイヤの直径の大きさがわかります。タイヤの大きさに伴い、フレームのサイズも大きくなっていくので、数値が大きければ大きいほど高身長の方向けです。
インチ数が大きくなればなるほど、一回転に進む距離が長くなりますのでスピードも出しやすくなります。一方、インチ数が小さくタイヤが小さければ、一回転で進む距離は短くなりますが、軽快にこげるようになり楽です。
1.9. 自転車のタイヤの早見表:よくあるサイズ
クロスバイク・マウンテンバイクなど、さまざまな種類の自転車があるので、タイヤの規格・サイズ表記なども多岐に渡っています。下記に、一般的な自転車である「ママチャリ」の規格・サイズの規格表を表記しておきます。
規格WO |
インチ数22inch |
一般表記24×1 1/2 |
ETRTO形式38-501 |
規格WO |
インチ数24inch |
一般表記24×1 3/8 |
ETRTO形式37-540 |
規格WO |
インチ数26inch |
一般表記26×1 3/8 |
ETRTO形式37-590 |
規格WO |
インチ数27inch |
一般表記27×1 3/8 |
ETRTO形式37-630 |
規格HE |
インチ数22inch |
一般表記24×1.50 1/2 |
ETRTO形式38-559 |
1.10. 自動車のタイヤの計算方法:サイズはホイールの外径
自転車のタイヤのサイズは、ホイールの外径(リム径)で表記されています。したがって一般的な自転車(ホームサイクル・シティサイクル)では、タイヤはリムサイズと同じものを選ぶようにしましょう。
しかし、タイヤのサイズ表などを参考にしても、クロスバイクなどにはさまざまな種類のリムが使用されています。そのため、複雑な場合はメーカーに問い合わせての注文がおすすめです。
2. センチ→インチの計算方法と早見表
前述で、インチからセンチへの計算方法については解説をしましたが、反対にセンチからインチへはどのように計算するのでしょうか。
ここでは、センチからインチへの計算方法を紹介し、早見表も記載します。
2.1.「1センチ=0.39インチ」センチに0.39をかければインチに計算できる
インチからセンチへの計算方法は、インチを基準にして考えれば簡単です。前述のように1インチは2.54㎝で、1㎝は1÷2.54で約0.39インチになります。
具体的な例を出して計算してみると、4㎝は0.39×4=1.56インチです。
この計算方法は、ジーンズなどを選ぶ際などに有効活用できて便利な方法と言えます。
2.2. センチ→インチの早見表
センチからインチに変換できれば、ジーンズ選びなども簡単にできます。下記に、センチからインチへの早見表を記載しますので、参考にしてください。
1センチメートル |
0.39インチ |
2センチメートル |
0.79インチ |
3センチメートル |
1.18インチ |
4センチメートル |
1.57インチ |
5センチメートル |
1.97インチ |
6センチメートル |
2.36インチ |
7センチメートル |
2.76インチ |
8センチメートル |
3.15インチ |
9センチメートル |
3.54インチ |
10センチメートル |
3.94インチ |
2.3. 海外の靴を買うときの計算方法:自分の足サイズに0.39をかければOK
海外の靴のサイズは、日本とは違ってインチでサイズ表記されている国が多いです。したがって、海外で靴を購入する際は、上記の計算方法で自分の足のサイズに0.39を掛けてインチ数を出せば、フィットする靴を見つけることができます。
靴を選ぶ際に実際に履いてみて履き心地などを確認できればいいのですが、試し履きなどできない場合は計算してサイズを選びましょう。
3. インチとセンチ、単位の違い
インチとセンチは両方とも長さの単位として、さまざまな分野で使用されています。違いを簡単に説明すれば、インチはアメリカで使用されている長さの単位で、センチは日本で使用されている長さの単位です。ここでは、インチとセンチの違いについてさらに深掘りをしていきます。
3.1. インチはヤード!ポンド法に則った測り方
インチはイギリス発祥の大昔から使用されている長さの単位で、別名「ヤードポンド法」とも言われています。1875年に成立した「メートル条約」により、世界で単位を統一しようという流れになりました。しかし、アメリカでは長年インチを使用し、習慣を変えることが難しいため現在でもインチを使用しています。
3.2. センチはメートル法に則った測り方
センチメートルは1875年に成立した「メートル条約」で製作・成立した、「メートル法」に即した世界的共通の長さの単位です。成立当初は日本でもなかなか浸透しませんでした。しかし、長い年月をかけて日本も1885年にメートル条約に加盟し、センチが定着して現在に至っています。
4.「ヤードやフィート」単位の計算方法
センチメートルやインチなどの単位は多くの場所で使用されていますが、「ヤード」「フィート」などの単位は使用頻度が少なく、馴染みも少ないです。そこでここからは、「ヤード」「フィート」の計算方法を紹介していきます。
4.1. ヤード→メートル:1ヤードは0.9144メートル
ヤードからメートルへの換算を最も活用するのが「ゴルフ」です。ゴルフでは1ヤードを0.9144メートルとして使用します。たとえば、飛距離が100ヤードであれば、91.44メートル飛んだという計算です。
イギリス・アメリカ・日本などではヤードをゴルフの距離の単位として使用していますが、なかにはメートルを使用している国もあります。
4.2. フィート→メートル:1フィートは0.3048メートル
「フィート」は国際フィートによって「1フィートは0.3048メートル」と定められた、ヤードポンド法の長さの単位です。元々は足の大きさを計るための尺でしたが、現在では主に航空機などの飛行高度を表す単位として使用されています。
5. まとめ
インチ、センチをはじめとする単位は、私たちの生活に関わるさまざまな分野で使用され、種類も多岐にわたっています。
本記事がきっかけとなり、単位への理解を深めて、普段の生活にお役に立ていただければ幸いです。