最近耳にするようになった「ママ活」。
「パパ活」のほうが聞き馴染みがある方も多いかもしれません。
簡単に説明すると、ママ活はパパ活の逆で、年上女性が年下男性に何かしらの報酬を与え、その対価としてデートなどをすることです。
「デートするだけでお金や物がもらえる」というような、一見メリットしかなさそうな行いですが、ママ活のせいでトラブルに巻き込まれた方もいるのが現実です。
この記事では、ママ活についてやママ活のトラブルを紹介しています。
1. パパ活に続くワード「ママ活」とは?実態に迫る
まず「ママ活」という言葉の意味を知らなければ、トラブルを回避できません。
何も知らずに手を出してしまう前に、ママ活ではどんなことをするのかについてしっかり理解することが大切です。
また、ママ活を希望する男性や、ママになりやすい女性の特徴なども紹介しますので、参考にしてください。
1.1.「ママ活」とは若い男性を応援してくれる年上女性を探す活動
「ママ活」とは、若い男性が食事や買い物などでママと共に過ごし、その対価として報酬を貰う行為です。受け取るのは金銭だけでなく、物である場合があります。
ママの心理的特徴としては、「応援したい」と思える男性に貢ぐ傾向があるようです。
たとえば、夢を追って頑張っている男性だと「サポートしてあげたい」という母性本能をくすぐり、ママが金銭や物資の提供を通して男性を応援します。
ママ活で受け取るお金は、時給制と日給制の2つがあり、日給制の場合即日払いであることがほとんどです。時給の場合、相場は1時間で3,000円〜5,000円程度であることが多いです。
「1日のデートで3万円」という日給制を採用している方もいます。ママ側が金額を決めることが多いようです。
また、月給・日給ではなく、食事や買い物のおつりを男性が受け取ることもあります。
1.2. ママ活で2人はどう過ごすのか?何をするのか?
食事やショッピングなどのデートがママ活の基本的な内容です。
基本的に、男性がお金を出すことはありません。むしろ、買い物や食事の際に出たおつりを男性が貰うこともあります。
デートの内容は、女性が行きたい場所へ行くことが多いですが、男性が希望する場所に連れて行ってくれることもあります。また、ショッピングは男性が欲しいものをママである女性が買ってくれることも多いです。
男性を息子のように見るのか、1人の男性として見るのかはママによって異なります。女性が男性をどう見ているのかによって、ママ活の内容も変わるでしょう。
基本的に男女の関係は発生しませんが、まれに男女の関係を求めてくる女性もいるようです。女性からの要望に応じるか否かは男性によりますが、強要してくる女性もいるので注意しましょう。
1.3. ママ活を希望する男性は大学生が多い?
ママ活をする男性は、大学生または20代の若い男性が多いです。未成年でもママ活をしている方がいるかもしれませんが、需要が少ないため長くは続かないでしょう。
未成年に需要が少ない理由は、単純に女性のリスクが高いからでしょう。
1.4. ママ活に応じる女性は働く独身女性が多い?
ママ活をする女性は、お金持ちの女性が多いです。経営者や大手企業に勤めるエリート社員、ご令嬢などもいますが、なかには借金をしている女性や夫の稼ぎを使っている女性もいます。
「男性と会うくらいだから独身だろう」というわけではありません。夫がいながらママ活をする女性もおり、既婚者女性とママ活をするのはかなりリスクの高い行動です。
女性のなかには、嘘をつきママ活をする方もいます。たとえば、「独身」と言っておきながら家庭を持っている女性もいるでしょう。
女性の要望ばかりを聞いていると不貞行為に繋がる可能性もあり、危険であると言えます。お互い、素性を最初からすべて把握するのは難しいのです。
2. なぜ「ママ活」が横行しているのか?
ママ活をする最も大きな理由は、「金銭的な問題」です。コロナの影響でバイトや仕事をクビになった男性も多く、生活が苦しくなった若い男性がママ活を通して女性に生活の援助をして貰っています。
「欲しいものがあるけど買えない」という男性は、女性から金銭を貰い、そのお金で物を買ったり女性から直接欲しいものを買って貰ったりしています。
また、夢や目標を持っておりそれらを達成するためにママ活をしている男性もいます。
金銭以外にも将来のことを見据え「人脈を広げたいから」という理由を持っている方や「単純に年上の女性が好きだから」という理由でママ活を行っている方もいるでしょう。
しかし、このような方は少数で金銭面の理由でママ活をしている方は多いです。
横行している1番の理由は「コロナのせいでバイトや仕事をクビになった」でしょう。
3. ママ活は危険?補導の事例やトラブルのケース
男性はお金や物が貰え、女性は若い男性と楽しい時間を過ごせるママ活。
一見メリットしかなさそうな活動ですが、トラブルや危険が潜んでいるリスクの高い行動です。実際に、女性が逮捕された事例や、既婚女性であったことが原因で慰謝料を請求されてしまったケースがあります。
ママ活は、場合によっては女性側にも男性側にもリスクがある活動。実際に起きたトラブルを確認しましょう。
3.1. 未成年が年齢を偽ってママ活・補導された事例
まずは、福岡県で起きた事件です。
「ママ活を行った男性が警察に補導された」というニュースが話題になりました。
ママ活を行っていた男性は、17歳の男子高校生。補導に至った経緯は、男性が「ママ活したい」と投稿したツイートに対し、身分を隠した警察官が「カフェで2時間会うのに7,000円」と返信。
その後、男性と警察官が会い、補導されました。
男性がママ活をしたかった理由は、「バイトをやめたのでお金が欲しかった」のだそうです。
今回ニュースになった男子高校生以外にも、男子大学生や高校生が補導されています。
SNSでママを探す男性も多いですが、身分を偽った警察官と連絡を取ってしまい、補導される男性は意外と多いのです。
補導だけで済めばまだしも、金銭目的の交際や深夜の徘徊は他の深刻な事件に巻き込まれる可能性もあり非常に危険です。
3.2. ママ活にはトラブルになりかねないケースがある
先ほど紹介した事例は、「男子高校生が補導された」という事例でした。
ママ活トラブルのなかでは比較的危険度が低いものです。しかし、ママ活には逮捕や慰謝料請求をされてしまう場合もあります。
以下5つのケースを紹介するので、危険性をしっかり理解しましょう。
① 男性側が未成年のケース
男性が未成年の場合、逮捕されるのは女性です。
刑法第224条の「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する」に引っ掛かってしまいます。未成年者と成人女性のママ活は、男性がママ活に合意していても「誘拐」になってしまうのです。
理由は、日本における誘拐の定義が「欺罔・甘言を用いて未成年者をその生活環境から不法に離脱させ、自己の事実的支配下におくこと」だからです。
もし男性が高校を卒業している場合は誘拐と捉えられる可能性が低くなりますが、「卒業していれば安心」というわけではありません。
男性側が何か悪だくみをしていることもあるので、安易にママになることはやめましょう。
② 男女の関係を持ってしまったケース
ママ活では、基本的に男女の関係を持ちません。食事やショッピングなどのみを行うため、健全な関係を築きます。
しかし、なかには男性または女性から体の関係を求めてくるケースがあります。この場合、「援助交際」になってしまい、法に罰せられます。
児童福祉法第34条1項6号及び第60条1項の「児童に淫行(いんこう)をさせる行為」に引っ掛かってしまい、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は懲役と罰金を同時に科されてしまいます。
懲役刑・罰金刑共に、軽い刑ではありません。また、法律以外にも妊娠や不倫などさまざまなリスクが伴います。
お金目的の安易な気持ちでママ活を行い、さらに男女の関係を持ってしまったとなると、後々大変なことになる可能性があることを理解しましょう。
③ 女性側が既婚者であったケース
女性が独身であるとは限りません。既婚女性もママ活をしている可能性がありますが、そのほとんどが正直に「既婚者」と話さないでしょう。それが原因でトラブルに巻き込まれてしまう男性もいます。
ママ活はデートをするので、女性によってはカップルらしい振る舞いを求めてくる場合があります。その場面を女性の夫、または夫が雇った探偵や興信所に証拠として押さえられ、慰謝料を請求されてしまう可能性も考えられます。
慰謝料は、不倫年数・きっかけ・収入・婚姻年数・子どもの有無・夫婦関係が破綻しているか、などさまざまな観点から決まります。そして、基本的には300万前後と言われています。
④ 女性側が美人局(つつもたせ)などの詐欺であるケース
女性が美人局(つつもたせ)である場合は、金銭を要求されます。美人局とは犯罪行為の一種で、男性と女性が共謀してターゲットを陥れます。
ママ活における美人局のトラブルは、「男女の関係を持った段階で共謀の男性が現れ慰謝料を請求してくる」というパターンがあります。被害を装った女性と男性の2人で現れることがありますが、弁護士を名乗る男性が登場することもあります。
ママ活は不倫問題に巻き込まれたり美人局の詐欺に引っかかったりすることがあるので、非常にリスクの高い活動と言えるでしょう。
⑤ 男性へ大金を支払ったあとに消息不明になるケース
結婚詐欺などでもよく聞く話ですが、何かしら理由をつけて大金を振り込ませたあとに連絡が取れなくなるというケースです。これは実際に起きている事件でもあるので、紹介します。
ママとなったのは、会社経営者で金銭的に余裕のある女性でした。経営者になるほど仕事に熱を持っていた女性は、恋愛経験が少ない人生を歩んでいました。
興味本位でママ活サイトへ登録し、出会った男性に心を許した彼女は、「新規事業の資金提供」という名目で男性に大金を振り込んでしまいます。そして、振り込んですぐに男性と連絡が取れなくなってしまったという事案です。
客観的に見ると「大金を振り込むなんて私はありえない」と感じるかもしれませんが、ママ活で疑似恋愛をしているうちに本気の恋愛であると勘違いしてしまうことはよくある話でしょう。
3.3. 明るみに出ている事例は氷山の一角
インターネットでママ活の被害を検索すると、さまざまな事例が出てきます。
しかし、それはほんの一部。なかには、ネットニュースや記事になっていない事件もあるでしょう。
「自分に関連する事件はなるべく表に出したくない」と考えている加害者や被害者も多いです。こうした場合示談や話し合いで済ませ、明るみに出さないのです。
「被害者が暴露すればいい」と考える方もいるとは思いますが、話し方次第では名誉毀損や侮辱罪などで逆に訴えられてしまう可能性があるのです。
「泣き寝入りをする人もいる」ということを忘れないようにしましょう。
4. 安易な気持ちでママ活に走ってはいけない
「お金が稼げるらしいからママ活してみよう」と軽い気持ちでママ活をしてはいけません。なぜなら、ママ活自体がグレーな活動だからです。
先述したように、内容次第では法律で罰せられたり金銭トラブルに発展したりしかねません。
ここでは、ママ活の実態を紹介します。ママ活に憧れや希望を抱いている方は、ママ活の真実を知って改めて考えてみてください。
4.1.「簡単に大金が手に入る」は大きな間違い
「ママ活=楽に大金が稼げる」と考えている人も多いですが、実態はそうでもありません。
たとえば「1時間3,000円で食事をする」という約束だったとしても、食事以外の行為を強要される可能性もあります。さらに約束していた額を確実にもらえる保証なんてどこにもありません。アルバイトであれば報酬がもらえないということは考えにくいですが、ママ活では何が起こるかわからないというリスクがあります。
また、友達や恋人と一緒に過ごすのとは違い、女性の要望に応えなければいけないため気を遣うでしょう。無理難題を押しつけてくる女性もいるため、楽に稼げる活動とは言えません。
4.2. ママ活の本質は「搾取」
ママ活の本質は性搾取、心の搾取であると考えられます。
女性から金銭や物を貰うためには、女性に楽しい時間を提供しなければなりません。そのためには、女性の好みの男性になり、女性が「楽しい」と思えるように興味のある話題を話したり、気遣いをしたりしなければならないのです。
さらに場合によっては、体の関係を断り切れないこともあるでしょう。ママ活とは心と体を削る行為でもあり、自分自身で気付かぬ間に疲弊してしまうことも。
ママ活で楽に稼ごうと思っている方がいるならば、もう一度考え直しましょう。
5. まとめ
ママ活の定義と実態、実際に起きたトラブルを紹介しました。
ママ活は、「楽にお金を稼げる活動」ではありません。普通に生活していれば起こらない不倫や詐欺、ストーカーなどのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるのです。
また、必要以上に気を遣うため心身共に疲弊してしまいます。なかには、男性や女性の心につけ込んで搾取されることも。
ママ活は、重大なトラブルに繋がる可能性があることを理解しておきましょう。