新型コロナウイルス感染拡大で家にいる時間が増え、「住環境」の重要性が高まりました。これにより、「高い家賃にもかかわらず常に満室の物件」と「家賃を下げてもなかなか空室が埋まらない物件」の二極化がより顕著となっています。数々の中古マンションを売り、自身としても投資を続けてきた株式会社エイマックス代表取締役の天田浩平氏が、都内人気エリアの家賃事情を解説します。
港区29万4000円…コロナ禍でも高騰続く、人気エリアの「家賃事情」

都心の物件は需要が高く家賃上昇率も高い

これは、賃貸マンションに住みたい人の需要の高さに比べて、供給戸数がさほど増えていないため、賃料が上がっていると見ることができます。

 

そのため、私が販売した物件の事例では、東京23区内でも人気エリアの六本木、蒲田、巣鴨、渋谷の物件では、専有面積22〜25㎡のワンルームマンションの家賃が、ほぼ同様の期間で4000〜1万3500円値上がりしたケースも出てきています。

 

港区の標準的な物件の賃料の推移を示した「港区の賃貸マンション賃料相場」(『LIFULL HOMEʼS住まいインデックス』)によれば港区の中古マンションの家賃は、2010年から2020年にかけて徐々に上昇しており、2020年以前の3年間だけ見ても3%ほど上昇しています。これは、東京の賃料上昇率とほぼ同程度の水準です。

 

詳細を見ても、港区の築10年賃貸マンション面積別の価格相場(AI査定による)は、専有面積20㎡で9万5000円、70㎡で29万4000円。

 

同じ港区の六本木ヒルズレジデンス(A棟)の家賃推移にいたっては、2011年1月、坪単価1万4626円だったのが、2020年7月には2万160円まで上がっています。

 

こうしたデータを見る限り、東京23区の都心の物件については、景気の状況に関係なく、つねに高い需要傾向にあることがわかります。

 

ただし、調査データにはタイムラグもあります。新型コロナの感染拡大により、東京港区を中心とした都心の賃貸物件の家賃相場は、「総じて下落傾向にある」という声も聞かれます。こうした状況の変化は個人的には、「そう長くは続かない」と、思っています。

 

 

天田 浩平

株式会社エイマックス

代表取締役