都心の物件は需要が高く家賃上昇率も高い
これは、賃貸マンションに住みたい人の需要の高さに比べて、供給戸数がさほど増えていないため、賃料が上がっていると見ることができます。
そのため、私が販売した物件の事例では、東京23区内でも人気エリアの六本木、蒲田、巣鴨、渋谷の物件では、専有面積22〜25㎡のワンルームマンションの家賃が、ほぼ同様の期間で4000〜1万3500円値上がりしたケースも出てきています。
港区の標準的な物件の賃料の推移を示した「港区の賃貸マンション賃料相場」(『LIFULL HOMEʼS住まいインデックス』)によれば港区の中古マンションの家賃は、2010年から2020年にかけて徐々に上昇しており、2020年以前の3年間だけ見ても3%ほど上昇しています。これは、東京の賃料上昇率とほぼ同程度の水準です。
詳細を見ても、港区の築10年賃貸マンション面積別の価格相場(AI査定による)は、専有面積20㎡で9万5000円、70㎡で29万4000円。
同じ港区の六本木ヒルズレジデンス(A棟)の家賃推移にいたっては、2011年1月、坪単価1万4626円だったのが、2020年7月には2万160円まで上がっています。
こうしたデータを見る限り、東京23区の都心の物件については、景気の状況に関係なく、つねに高い需要傾向にあることがわかります。
ただし、調査データにはタイムラグもあります。新型コロナの感染拡大により、東京港区を中心とした都心の賃貸物件の家賃相場は、「総じて下落傾向にある」という声も聞かれます。こうした状況の変化は個人的には、「そう長くは続かない」と、思っています。
天田 浩平
株式会社エイマックス
代表取締役