今回話を聞いたのは、外資系の証券会社に勤める31歳の太一さん(仮名)。世帯年収2,000万円、資金繰りに特段の不安もなく引越した港区のタワーマンション……当初は大満足であったそこでの暮らしも、今や「新たな引越し先を探している」といいます。いったいなぜなのか、みていきましょう。
手取り55万円の31歳エリート会社員…港区タワマンで感じた「窮屈さ」

鬱陶しい…タワマン住人同士の醜い「マウント合戦」

快適なタワマン暮らしを満喫していた太一さんですが、ある日、妻の優香さんからこんな相談を受けたといいます。

 

太一さん「ある日、妻の優香が1階に降りるエレベーターを待っているとき、同じフロアの住人から『どこにお勤めなの?』『どこの大学をお出になったの?』『旦那さんはなにをされている方なの?』など、矢継ぎ早に個人情報を聞かれたらしいんですよ。あと、別の日にも住人同士で話しているときに『あの方は賃貸で入っている方だから』と、賃貸で住んでいる人を下にみるような発言をする人がいたらしく、本当に嫌だと。妻から話を聞いたときは、本当にそんなことあるんだ、という感想しかなかったですが、改めて考えるとこういう差別意識が生まれやすい環境で子どもを育てたくないな……と考えるようになりました」

 

住環境自体には大満足であった太一さん夫妻でしたが、ウワサ程度だと購入前は特段気にしていなかった、タワマン特有の「階層カースト」「マウント合戦」を目の当たりにした結果、「生きていくうえで必要のないストレスがかかるし、なにより子どもをこんな環境で育てたくない」と、購入からわずか1年で引越しを決意することとなりました。

 

もっとも、子どもが生まれるまでは住み続ける予定といい、また、物件の資産価値は右肩上がりとなっていることから、引越しに係る資金的な不安はないそうです。

 

資金繰りに問題がなくても、タワマンには独特の「窮屈さ」が存在することは事実のようです。住環境における利便性、効率性を重視するうえでは「周りなんて気にしない」という心持ちこそ、タワマンのメリットを最大限享受するためのポイントかもしれません。