せっかく手に入れたマイホームを、ローン返済に苦しみ、手放してしまったり、なかには自己破産に陥るようなケースが後を絶ちません。そんなローン破綻は、今後、急増するという声も。どうしてなのでしょうか。みていきましょう。
住宅ローンが払えません!コロナ後、経済は回復しても「ローン破綻は急増する」といえる理由

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コロナ禍、住宅ローン破綻が増加

裁判所『司法統計』(令和3年12月分速報)によると、2021年の破産事件(地方裁判所新規受付分)の累計は7万3,457件。2021年12月に注目していくと、破産件数は7,200件。そのうち個人の破産は6,645件でした。最も件数が多かったのが「東京都(東京地管内)」で812件。「大阪府」「神奈川県」「福岡県」「北海道」と続きます。

 

人口比でみていくと、10万人当たり最も多いのが「福岡県」で7.84。「大阪府」「北海道」「宮崎県」「高知県」と続きました。

 

【人口10万人当たり「破産件数」上位10】

1位:福岡県 7.84

2位:大阪府 7.44

3位:北海道 7.34

4位:宮崎県 7.29

5位:高知県 6.50

6位:沖縄県 6.27

7位:秋田県 6.15

8位:千葉県 5.85

9位:岩手県 5.78

10位:東京都 5.77

 

出所:裁判所『司法統計』(令和3年12月分速報)より算出

 

2020年、2021年と、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、収入減に見舞われた人が多くみられました。それによって住宅ローンの返済に苦しむ人たちも増えたといわれています。

 

特に悲惨だったのがファミリー層。収入減に見舞われたとき、まずは支出を見直すのがお決まりのパターンですが、ファミリー層の場合、子どもの教育費など、削れる支出がそれほどなく、返済負担が急激に重くなってしまったのです。最悪の場合、自己破産……というケースも。

 

ただ今回のコロナ不況、感染の収束はまだ見えないものの、経済は元に戻ろうとしています。それに伴い、生活苦に陥る人も減少傾向にあります。実際、自己破産件数は前年度比93%ほどと、コロナ前の水準に。またもともと住宅ローンの破綻率は2%といわれていましたが(住宅金融支援機構調査より)、コロナ禍で破綻率は上昇。ただこちらも、最近は落ち着きつつあるようです。