手取り24万円…団塊ジュニアがもうすぐ直面する困難
社会に出るまでは好景気の日本を実感し、良い思いを享受できると思った矢先、どん底に突き落とされる……不景気しか知らない下の世代は、そこに対応する力が備わっていますが、「そんなこと、学校では教えてくれなかった」というのが団塊ジュニアの人たち。だから、幸せ自慢ワースト1になることが多いのでしょう。就職氷河期前半にもあたる、この世代には、ずっと浮上できずにいる人たちも多くいます。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、40代後半の月収(所定内給与額)の中央値は31万4,500円、手取りでは24万円ほど。また月20万円に満たない人たちは全体の12.6%。8人に1人は50歳を前に手取り16万円ほどで暮らしています。
そんな団塊ジュニアがこれから直面するのは親の介護問題。日本人の健康寿命は75歳程度といわれていますから、親である団塊の世代はこれから介護や医療に出費がかさむようになります。団塊ジュニアのなかには、そんな親を支えなければならない人もいるでしょう。
「老老介護」。日本が直面する高齢化問題。その主役に、団塊ジュニアたちが躍り出るわけです。苦しい現実を抜けた先、団塊ジュニアが後期高齢者となる2046年~2050年、日本はどのようになっているでしょうか。
内閣府『高齢社会白書』によると、現状高齢化率は28%ほどですが、37.7%まで上昇。現役世代2人で1人の高齢者を支える時代から、現役世代1.4人で1人の高齢者を支える時代になっています。
年金制度はこのような高齢化社会を見据えたものなので、制度自体が崩壊していることはないでしょう。ただ現在の給付水準を保てているかといえば、難しいという見方も。
現役世代で高齢者の生活なんて支えられないと、いま以上に高齢者の暮らしは厳しくなっていることが予想され、年金だけでは到底暮らしてはいけない世の中になっているでしょう。
そんな高齢者のために、年齢にかかわらず働き続けられる環境が整いつつあります。現在、新しく70歳定年が努力目標になっていますが、それが75歳になり、80歳になり……体が動く限り働き続けられる世の中になるのも、そう遠い未来ではないでしょう。
一生低空飛行のまま、死ぬまで働き続ける……団塊ジュニアに科せられた運命なのかもしれません。