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賃金はあがらず、物価は上昇…「悪い物価高」が蔓延
連日、値上げのニュースばかりでため息が止まらない昨今。
よく物価高は、「良い物価高」と「悪い物価」という言い方がされますが、今回は後者のほう。良い物価高は、企業の業績アップで賃金が上昇。その結果、消費も増加し物価も上昇するという、まさに好循環。
一方、悪い物価高は、石油などの資源高騰がおき、その結果、製造コストがアップとなり原材料が高騰。物価が上昇するというものです。つまりコスト主導の値上げで、生活を圧迫するものなので、悪い物価高と呼ばれています。
団塊の世代あたりの人たちにとって、悪い物価高で思い出されるのは、1973年のオイルショック。このとき、消費者物価指数は前年比最大で22%超えを記録。トイレットペーパーの買占め騒動は、いまや歴史の教科書に掲載されるほど、インパクトのあるものでした。
それに比べて、現在は、2022年2月で0.6%。「オイルショックの再来か」といった過激な文言を目にすることがありますが、そこまでにはならない、というのが専門家の大方の見方。ただ予断は許さない状況は変わらず。また実際に、スーパーなどで買い物する際、小麦粉やチーズ、食用油などを中心に大きく値上がりしていることは事実。デフレに慣れ切っている日本人にとって、短期間での値上げラッシュはかなり痛いのではないでしょうか。
このようなとき、多くの人は買い物の時に値上げを実感する程度で済みますが、やはり収入がおぼつかない人にとっては一大事。「どのようにして生きていけばいいのか……」という、瀬戸際に追い込まれる人も珍しくはありません。
国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査』によると、正社員(3,482万5,204人)の平均年収は495万7,000円。男女別にみると、男性は550万1,000円、女性は383万7,000円でした。
給与の分布でみてみるとボリュームゾーンは「300万~400万円」で22.3%。「1,000万円超」の高給取りは4.6%でした。
【正社員の給与分布】
100万円以下:1.4%
200万円以下:4.4%
300万円以下:13.7%
400万円以下:22.3%
500万円以下:19.6%
600万円以下:13.8%
700万円以下:8.9%
800万円以下:5.7%
900万円以下:3.5%
1,000万円以下:2.3%
1,000万円超:4.6%
出所:国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査』より算出