会社員のおおよそ2~3%を占める派遣社員。どれくらいの給与を得て、どれくらいの年金を手にできるものなのでしょうか。厚生労働省の統計から紐解いていきます。
派遣社員「平均手取り24万円」…正社員との格差を実感する「将来もらえる年金額」

派遣社員は「厚生年金」に加入できるのか?

正社員と比べると大きな年収差はあるものの、こうしてみると派遣社員の給与は意外と多いと感じる人も多いかもしれません。

 

しかし派遣社員は、3ヵ月ごとに更新があり、同一の職場に3年以上働くことはできません。3年は働ける、というわけではないので、やはり派遣社員の不安定さはネックかもしれません。

 

また派遣社員は厚生年金に入れないというイメージがあります。実際はどうなのでしょうか。まず、20歳以上60歳未満の日本国民であれば入らなけばならない「国民年金」は必須。さらに一定の条件を満たしていれば、厚生年金にも加入できます。

 

条件というのは、労働時間と雇用期間。労働時間は正社員の3/4以上であること、雇用期間は2ヵ月以上であることが条件。また労働時間が足りていなくても、以下の条件を満たしていれば厚生年金に加入しなければなりません。

 

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が1年以上予定されている
  • 給与が月8万円を超えている
  • 学生でない
  • 雇用保険に500人以上加入している企業で働いている

 

このようにみていくと、派遣社員として生計を立てている人であれば、それほど厳しい条件ではなく、たいていは厚生年金にも加入できると考えていいでしょう。

 

厚生年金、どれほどもらえるのか、以下の式に当てはめて考えてみましょう。

 

■加入期間が2003年3月まで

平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数

■加入期間2003年4月以降

平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数

 

それによると、派遣社員が手にする厚生年金は7万0,156円。基礎年金と合わせて月13万5,000円ほどになります。一方で正社員が手にする厚生年金は9万6,465円。基礎年金を合わせると16万円ほどとなり、平均値での概算ではありますが、派遣社員よりも月3万円ほど多く年金を手にする、という結果に。

 

派遣社員の給与事情と年金についてみてきましたが、やはり正社員に比べて「お金」の部分では少々シビアと言わざるを得ない様子。将来の安心のためにも、しっかりとしたマネープランが必須です。